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CYCLOPSインタビュー(たぬかな選手/黒豆選手/nazomen監督)―鉄拳、FIFA、StarCraftってどんなゲーム?―(前編)

プロゲーマーの追っかけ出身である女性ライターのスイニャンがeスポーツ観戦に関するさまざまな情報やコラムを不定期でお伝えします

「うちのチームも取材しに来てくださいよ」

10年来のStarCraft仲間であるnazomen氏から、そう言われたことは何度かあったんです。彼は現在CYCLOPS athlete gamingの監督をしているのですが、本拠地が大阪にあるため関東在住の私にはなかなかチャンスがありませんでした。ところが先日別件で私が大阪へ行くことになり、その機会を利用してようやく取材を実現させることができました。今回は鉄拳のたぬかな選手、FIFAの黒豆選手、そして監督のnazomen氏の3名に同時にインタビューをさせていただきましたので、さっそくその模様をお伝えしていきます。

CYCLOPSに加入するまでのビハインドストーリー

――まずはありきたりですが、自己紹介とプロゲーマーになったきっかけから教えてもらえますか。

たぬかな 鉄拳という格闘ゲームをプレイしているたぬかなと申します。私は徳島出身なんですけど今から7年ぐらい前、高校生のときに鉄拳が流行っていたのでアーケードで始めました。それでやり込んで他県にも遠征に行くようになったら、名前が売れ出してきたんですよ。そんなときにCYCLOPSが鉄拳の選手を募集しているというのを聞いて、大阪だったので「ちょっとやってみようかな」と応募したら、とんとん拍子に話が進んで。ただ私はプロゲーマーになりたかったというよりも、広告塔でも何でもいいので人を増やすことに貢献できるんだったらと思ってプロゲーマーになったという感じです。

 

――では、黒豆選手も自己紹介をお願いします。

黒豆 FIFA部門に所属している黒豆です。CYCLOPSは「日本eスポーツリーグ」の発足をきっかけにFIFAの選手を探していたそうなんですが、そもそも海外で盛り上がっているゲームなので日本ではそれほどでもないせいか苦労したみたいで。当時FIFAのプロ選手がいたチームはSCARZだけで、そこの所属選手から「大阪には黒豆って強い奴がいる」という情報を得たらしいんです。それをきっかけに、お声がけしてもらいました。僕は小学生のころからサッカーゲームを楽しんでいて18歳ごろからFIFAを本格的に始めたんですけど、自分の実力がどこまで通じるのか試してみたいなと思ってチームに加入しました。たぬかなさんほど「広めたい」とか立派な志はなかったですね(苦笑)。

たぬかな うちのチームってスカウトばかりで、応募ってOverwatch部門と私だけなんですよ。ズルくないですか?(笑)

黒豆 でも僕もトライアウト受けましたよ。スカウトされたのにトライアウト受けて「あれ?」って(笑)。

nazomen 実はFIFAはもう一人候補がいたので、トライアウトをやったんですよ。でも黒豆が圧倒的に上手かったですね。

 

――そうだったんですね。では引き続き、nazomen監督にも自己紹介をお願いしたいと思います。

nazomen 監督をやっているnazomenです。15年ぐらいStarCraftというゲームをやっています。もともと人に教えることが好きでコーチや監督の仕事にも興味があり、たまたま「東京ゲームショウ」に行ったときにお声がけしていただいたのがCYCLOPSに入ったきっかけですね。チームからは「選手たちの管理」を頼まれているんですけど、それ以外に「できるなら選手としても活動してほしい」とは言われていて。ただ忙しすぎて自分のゲームをする時間が取れていないんですが、今後は少し時間ができそうなので選手としてもやっていこうかなと思っているところです。

 

ゲームの魅力と得意なプレイスタイルを語る

――では皆さん、ご自身のやっているゲームの紹介とその魅力について聞かせてもらえますか。

たぬかな 鉄拳は、立体的な「3D」の格闘ゲームなんです。グラフィックがとてもきれいでカスタマイズも楽しめるので、プレイだけじゃなくて「キャラ萌え」の人も結構います。今は「鉄拳7 FATED RETRIBUTION」というタイトルになっているんですが、以前より簡単になって初心者の人も楽しめるのが良いところかなと思いますね。格闘ゲームと言えばストリートファイターのような平面的な「2D」のほうが人口は多いと思うんですけど、鉄拳にはそういうゲームにはない爽快感があるんです。エフェクトも良いし、音も筐体のスピーカーから「バン!」と出てきて、技を当てたときの気持ち良さがほかのゲームの比にならないですね。

 

――では、たぬかな選手の得意なプレイスタイルってどんな感じなんですか。

たぬかな 私の場合は、「反応速度」ってやっぱり男性に比べて劣るんですよ。女性だとどうしても仕方ないとは思うんですが、そこを努力で埋めるよう実践しています。「確定反撃」っていう「相手の技をガードしたらこの技が入る」っていうのがあるんですが、それを知識として入れても反応で返すのって間に合わないことがあるんです。それがすごく難しいので「反応じゃなくて反射にしよう」と思って、手が勝手に出るようになるまで家でずっと練習していました。私はそういった繰り返しの努力と知識で「確定反撃」が上手だと言う評価を手に入れたので、皆さんにもそこを見てもらいたいですね。

 

――それはすごいですね!ぜひたぬかな選手の試合を見てみたくなりました。では次に、黒豆選手にFIFAの紹介をお願いします。

黒豆 FIFAは「国際サッカー連盟」の公認ゲームで、収録されている選手は全員実名、チームやスタジアムのライセンスもサッカーゲームのなかで一番取得していて、実際に一番近いんです。サッカーファンにとっては「好きなチームを自分で動かせる」っていうところが一番の魅力かな、と思います。オンラインなら自分の好きな選手を集めてチームを作って対戦するモードもありますし、1対1だけじゃなくて11対11もあります。自分の担当するポジション以外はほかの人たちが動かす協力モードで、それもまた面白いんですよ。1対1が苦手な人が別のモードで遊べるのも、魅力だと思います。

たぬかな FIFAには11名の選手を2人で動かすモードもあって、私一度2対2でやったんですけど、すごく面白かったです。

 

――本当にいろいろなモードがあるんですね。では、黒豆選手の得意なプレイスタイルについても聞かせてもらえますか。

黒豆 ボールの「支配率」が高いことが一番の武器かなと思います。相手に全然攻撃をさせないプレイができるときは、調子が良いですね。いかに相手にボールを取られないでシュートまで持っていけるか、というところです。とくに「FIFA 18」は、ボールを奪い合うカウンター合戦が多くて。ゲームの仕様としても手数をかけずにより早くゴール前にいったほうが強いんですけど、自分の場合そっちはどうも上手くいかなくて、あまり強くない仕様でもどうやって持っていくかっていうのは常に考えていますね。

――ゲームの仕様に反する強さって素晴しいですね。では、nazomen監督にもStarCraftの選手として、ゲームの紹介をお願いします。

nazomen StarCraftは、ゲームの説明だけで記事ひとつ書けちゃいますよ(笑)。まあざっくりと言うと、戦争ゲームの指揮官になる役割ですね。兵隊たちにリアルタイムで指示を出しながら、互いに敵を倒しに行く戦略ゲームです。

たぬかな 課金するとキャラクターが強くなるとかはないんですか。

nazomen ないですね。StarCraftには歩兵や戦車や戦闘機で戦う「人間」、数で圧倒して攻めてくる「エイリアン」、プレデターのような1体1体が強い「宇宙人」の3種類の種族があって、プレイヤーは好きな種族を選んで戦います。3つの種族ごとの力の差はまったくなく、StarCraft2だと勝率が53%あたりを超えると大ブーイングみたいな(笑)。StarCraft1は最後のバランス調整が2000年代前半で、そこから10年以上戦術がどんどん増えているという奇跡のバランスですね。ターン制のゲームじゃないので、相手が1回指示を出している間にこちらが2回3回指示を出したらそれだけで有利になれるので、手の速さも重要になってきます。やれることは、幅広いですよ。

黒豆 一回やったら頭パンクしそうですね(笑)。

 

――では、nazomen監督の得意なプレイスタイルについても聞かせてください。

nazomen 得意な戦い方を研究して、相手に何をされても対応できる形をひとつ作るというのがベースにあって、そこからひとつかふたつ奇策を持っておくというのが自分のプレイスタイルです。ただあまりにも奇策のほうが目立ちすぎて、奇策ばかり使う奴だという心外な評価を受けていますけどね(笑)。

3つのゲームタイトルに共通点はあるのか?
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WRITTEN BY

スイニャン

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韓国在住経験5年。在韓中の2006年ごろeスポーツと出会い、StarCraft: Brood Warプロゲーマーの追っかけとなる。帰国後2009年ごろからさまざまなWEBメディアで取材・執筆活動を行うほか、語学力を活かして韓国人プレイヤーのインタビュー通訳・翻訳や国際大会の日本代表団引率通訳などの活動も行っている。自らはゲームをほとんどプレイせず、おもにプロゲーマーの試合を楽しむ観戦勢。