先般、幕張メッセで開催された「闘会議2018」。2月に発足されたばかりの一般社団法人日本eスポーツ連合(Japan esports Union:以下、JeSU)によってプロライセンスが発行された初のゲームイベントとして、全国のゲームプレイヤーにはもちろん、各メディアからも注目を浴びました。
闘会議でプロライセンス発行対象となったゲームは以下の6タイトル。
『ストリートファイターV アーケードエディション』
『鉄拳7』
『パズル&ドラゴンズ』
『モンスターストライク』
『コール オブ デューティ ワールドウォーII』
『ウイニングイレブン 2018』(機材トラブルにより中止)
中でも『ストリートファイターV アーケードエディション』(以下、ストV AE)は、闘会議にて開催された大会に出場したプロプレイヤー21名全員にプロライセンスが発行され、ライセンス所持者向けの高額賞金制大会に出場することができるなど大きな話題となりました。あれから1ヶ月が経ち、ライセンスを与えられたプレイヤーはどういった変化が起きたのか、そもそも「プロライセンス」はeスポーツ選手にとってどういった意味を持つのか。「プロライセンス」についての情報をまとめた上で、プロゲーマー達の声を紹介します。なお、本記事はJeSUに対して肯定でも否定でもなく、中立の目線からお送りします。
これ、いきなり核心をつく議題なんですが、プロゲーマー本人達も定義はできてない気がします。一般的には「企業がスポンサーに付いており、支援を受けているプレイヤー(選手)」のことをプロゲーマーと言う人が多いのですが、はっきりと定義付けがされていたわけではありませんでした。しかしJeSUは「プロゲーマー」を以下のように定義しています。
●プロゲーマーの定義「プロゲーマーとは」
– プロフェッショナルとしての自覚を持つこと。
– スポーツマンシップに則り、プレイすること。
– プレイ技術の向上に日々精進努力すること。
– 国内eスポーツの発展に寄与すること。
……結局なんだかよくわかりません。
「自覚を持つ」とか「努力する」とか気持ちの問題な気もしますが、何にせよこれらがJeSUからプロライセンスを与えられたプロゲーマーのミッションということです。そして、この定義を満たして「プロライセンス」を所持しているプロゲーマーは、JeSUの認定大会で賞金を貰えるようになります。(プロ以外も出場は可能だが賞金が貰えるのはライセンス所持者のみ)
では、プロライセンス発行の対象者はどう決めているのでしょうか。こちらもサイトに記載されていました。
●ライセンス発行対象者
以下、全てを満たす者を対象にライセンスを発行します。
– 前述のプロゲーマーの定義に誓約していること。
– 当連合公認大会において公認タイトルの競技で優秀な成績を収めること。
– 当連合の指定する講習を受けること。
●例外的ライセンスの発行について
「実績保有者へのライセンス発行」
ライセンス発行開始時から過去にさかのぼり、公認タイトルの大会で著しく優秀な成績を収めている人には、例外的にプロライセンス及びジュニアライセンスを発行します。
※但し、発行にはIPホルダーの推薦が条件となります。
●ライセンス有効期限
ライセンスの有効期限は2年間。
※なお、更新に際しては、eラーニングによる講習が必須となります
なるほど。基本的には、JeSU公認大会上位入賞者へのご褒美としてプロライセンスが与えられるようです。『ストV AE』については2017年のカプコンプロツアー上位100名に入った日本人プレイヤー22名の内21名にプロライセンスが与えられましたが、これは「例外的ライセンスの発行」にあたるということですね。
上記のように、不明瞭な部分がまだまだ存在するJeSUのプロライセンス制度。近い将来、日本オリンピック委員会(JOC)への加盟や、オリンピックの公式種目としてeスポーツを採用する、といった目標のため発足された制度とのことですが、実際のところプロゲーマー達はプロライセンスについてどう考えているのでしょうか。
そこでまずは、eスポーツの最前線で活躍するCYCLOPS athlete gaming所属のGO1選手(@GO13151)、どぐら選手(@maneater_dgr)、たぬかな選手(@kana_xiao)の3人に「プロライセンス制度」について質問を投げてみました。
Q.率直に、「プロライセンス」についてどう思いますか?
GO1 今まで日本の大きな大会で優勝しても(高額な)賞金を得る事が出来なかったので、それが実現されるのは嬉しいなと思っています。
Q.プロライセンスが取れない or 再取得できなかったら、プロを辞めますか?(「プロライセンスを持つこと」だけがプロ選手の定義だと思いますか?)
GO1 格闘ゲーム出身の日本プロゲーマーは元々、海外を主点に活動していましたので、再取得出来なかったとしてもプロを辞めるという事は僕を含め他の方も無いのかなと思っています。
また、プロライセンスを持つことだけがプロ選手と言うのは個人的には間違いかなと。私はチームに所属して毎月お給与を頂いております。収入を頂きながらゲームをして生計を立てている人が「プロゲーマー」ではないか。と個人的には思っております。
Q.『ストリートファイター』や『鉄拳』がオリンピック種目になったら、出場してみたいですか?また、世界大会と比べて、オリンピックにはどのような魅力があると思いますか?
GO1 もちろん出場してみたいですね。一番の魅力は今までeスポーツやゲームを知らなかった方達に興味を持って貰えること。「大人になってまでゲーム(笑)。さすがに辞めなよ!」って言うのが現代社会の認識。その印象が変わって活性化されるのでは?と思っています。
Q.高額賞金をもらえるとしたら、お幾らぐらい欲しいですか?
GO1 1000000億兆万円!……すいません。貰えるなら幾らでも欲しいです。
Q.現状のプロライセンス制度に対して、「こうしたらもっと良くなるのに」という点はありますか?
GO1 まだ発足してすぐなので分かりませんが、何ヶ月かに一回はライセンスを取得出来る予選、決勝大会などがあれば、プレーヤーも目標が出来て活性化されるのかなと思います。
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