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大会では各々のチームがそれぞれドラマを抱えてしのぎを削っていたが、今回は優勝チームである「FaZe Clan」(以下FaZe)の活躍に焦点をあてて、大会の進行をご紹介したい。
FaZeはアメリカのプロチームだが、メンバーは全員ヨーロッパ出身で、国籍はノルウェー、スウェーデン、デンマーク、スロバキア、ボスニアヘルツェゴビナと様々だ。大会においても「国際色豊かなチーム」として紹介されていた。
FaZeは準々決勝から調子が悪く、解説者も「50%くらいの実力しか出せていない」と辛辣な評価を下していた。準決勝ではそんなFaZeの前に、中国のプロチーム「TyLoo」が立ちはだかる。
TyLooはアジアから決勝プレイオフに出場した唯一の出場チーム。オーストラリアにはアジア系の移民や留学生も多く、会場は大歓迎ムードだ。準決勝ではTyLooが最初の5ラウンドを先制したため、会場からは「China No.1!China No.1!」と大きな歓声が上がっていた。
出鼻を挫かれたFaZeだったが、徐々に調子を取り戻してようやく数ラウンド奪取することができた。会場からもFaZeを応援する声がチラホラ出始めていたが、スコアボードを見ていた解説者がとある事実に気づいてしまう。
チーム創設からFaZeのメンバーとして活躍し続けているrain選手のスコアが、0キル・10デスだったのだ。
「rain選手の現在のスコアを見てください、0キル・10デスとなっています」
解説者がそうコメントした途端、会場からは盛大なブーイングが。いくら選手に(ほとんど)聞こえていないとはいえ、あまりにも可哀想な仕打ちだ。だが「悪いプレイにはブーイング」というのは、「『良いプレイ』に賛辞を贈る」ことの裏返しなのだろう。素直な観客に文句を言うことはできない。
負けるな、rain選手……と思った矢先、rain選手がTyLoo戦で初のキルを獲得。ブーイングが鳴りやまないうちにキルを取り、会場からは歓声と共に暖かい拍手が送られた。下の動画では、rain選手が満面の笑みとガッツポーズで観客に応える姿を見ることができる。
このファインプレイ(?)には解説者2人も思わず頬を緩め、「1キル・ヒーローですね、皆さん拍手を!」とノリノリで称賛。同ラウンドではGuardiaN選手とNiKo選手が大いに活躍したものの、ラウンド終了後にはrain選手の顔が大きくスクリーンに映され、会場からは再び拍手が沸き起こった。
ブーイングを瞬時に歓声と拍手に変え、完全に観客を味方につけたrain選手。ミーハーな筆者は、一瞬でrain選手の虜になってしまった。
GuardiaN選手やNiKo選手も本調子を取り戻し、ラウンドの勝敗を決めるスーパープレイを何度も見せていた。FaZeは危ない場面を見せながらもTyLooに勝利し、決勝へと進出した。
決勝戦で対決することになったのは、karrigan選手が元々所属していた「Astralis」というチーム。決勝戦は観客の数も増えるという噂だが、一体どこまで盛り上がってしまうんだ……?
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