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CYCLOPS監督nazomenとeスポーツライター・スイニャンの『StarCraft』対談~スタクラとともに歩む道~

プレイヤーとして、観戦者として、スタクラの魅力を紐解く

スイニャン さて、ここまでは昔話に花を咲かせてきたわけだけど、ここからはスタクラの楽しさとかそれを広めていくにはどうしたら良いかとか、現在から未来の話なんかもしていきたいな、と。

nazomen 自分はもうプレイよりも見るのが楽しいんですよね。『LotV』の「セカンドベースをとるのが当たり前」で始まる展開が、自分に合わないせいもあると思うんですけど。個人的には1ベースか2ベースのところできっちり組んでラッシュで決め切るのが好きなので。

スイニャン 私の場合は元から観戦が楽しみの大部分なんだけど、そもそも自分がどうやって観戦を覚えたのか思い出せない(笑)。ひとつ言えるのは、大してプレイしなくても観戦だけである程度のレベルまで覚えられるっていうのは身をもって証明できる。

nazomen 俯瞰だと、何が起こっているのかわかりやすいのが良いですよね。ただ、『LoL』であれだけ日本のプロゲーマーが活躍しているのを考えると、やっぱり日本人が戦っているっていうのが日本人の興味のベースになるんじゃないかなとは思います。今『SC2』のプロの試合って「GSL」ぐらいなんですよね。日本語放送はやってるけど、選手は日本人じゃないので。

スイニャン となると日本人プレイヤーを増やさなきゃいけないわけだけど、増やすにはどうしたら良いのか……難しいところだね。

韓国のプロリーグ「GSL 2016 Season2」決勝戦の様子

nazomen 観戦についてちょっと見方を変えると、格闘ゲームなんかは「eスポーツなのか?」っていう議論もありますね。単純に「ゲーム」と言いたい人が多いって印象ではあるんですが。スタクラをeスポーツって言うことに対して異議を唱える人はいないですよね。

スイニャン それって私が思うに、スタクラって実力が出やすいからじゃないかな。eスポーツと呼ばれるタイトルのなかにも、運要素が強いと言われるものもあるし。

nazomen バトルロイヤル系とかカード系とかで言われることがありますけど、意外と格闘ゲームの一部もじゃんけんみたいな要素があるという話を選手たちから聞きますね。あとはチームゲームだと、自分以外の要素で勝ち負けが決まっちゃうっていうのは合う、合わないがあると思います。

スイニャン そうだね。チームゲームと1対1の違いは観戦でも感じるけど、私はどっちも好き。息のピッタリ合ったプレイは、見ててすごく楽しい。だけど試合全体を通じてその人らしいプレイスタイルや実力を余すところなく感じられるのは、1対1のスタクラ観戦の最大の魅力だと思う。

nazomen それを考えると、かつての韓国の「ProLeague」の大会形式はすごかった。1対1のゲームなのにそれをチーム対抗にすることで一体感を作り上げていて、チーム力がはっきり出てたのは驚き。

スイニャン あれは見せ方が上手かった!ゲームの内容には大きくかかわらないところで団結力が生まれるっていう。勝ち抜き方式だと自分が負けるとわかってる試合でも、次の選手のために相手の体力を削る目的でわざと試合を引きのばすとか。

nazomen エース級の相手には、その人を倒すことだけを準備してきた選手を起用したりね。今は韓国のトッププロがこの形式の大会をやらなくなっちゃって残念ですね。

「C4 LAN 2018 SPRING」にてStarCraft2コミュニティステージの様子。(左から)nazomen、スイニャン、vaisravana、PSiArc(敬称略、CyAC TVよりキャプチャ)

スイニャン 韓国「ProLeague」の話はふたりとも大好きすぎてキリがないので、そろそろ話を戻しましょう(笑)。日本でも、これからまだまだ盛り上げていきたいなと思ってるわけだけど。

nazomen ひとつ失敗したなと思うのは、『SC2』が出たときにもう少し何とかできたかなって。ただ、無料化したことで人口は増えてるし、「World Championship Series(以下WCS)」も視聴者数は伸びてるんですよ。賞金額を見ても、5人でやるゲームの1億円と1対1の2千万円が同等だと考えると『SC2』って決して見劣りしないんです。むしろ1対1で規模が大きいのは日本では格闘ゲームだけど、世界的には『SC2』と言ってもいいんじゃないかな、と。

スイニャン あとは伝え方なのかな。最終的に「どっちが勝ったの?」って言われちゃうのは問題。今思うと韓国の放送では、とにかく「プロはすごい」っていうのをひたすら伝えてた気がする。解説者が「このままだとこっちの選手は勝てない」って言ったのに、その選手が個人技だけでひっくり返しちゃうとか。自分はもちろん解説者ですら予想できなかった展開になったときに、面白さを感じた記憶がある。

nazomen でも、そういうことが起こりやすいのは『SC1』って気がする。『SC2』だと、状況に対する先読みができちゃってるんですよね。

スイニャン そっか、難しいね。となると、あとはみんなでワイワイやることの楽しさを広めていくとかかな。日本ではどうしても上位プレイヤーだけに目がいきがちだから、もう少し別の角度から裾野を広げる何かがやりたいなっていう気持ちは正直ある。Style君みたいなeスポーツ業界にいるスタクラ勢に相談してみるのも良いかもね。

nazomen  それを言ったらBactさんとかみずイロさんとかharunoとか、スタクラ勢ってゲームの人数規模に比べてeスポーツ業界に結構いるんですよね。だけど、楽しさを広めるっていう意味では「C4 LAN」に集約されてるのかな、とは思いますけどね。

スイニャン 確かに。「C4 LAN」はコミュニティ活動の軸として、引き続き頑張りたいね。じゃあそろそろnazomenはチームとしての目標とかもあると思うので、それを聞いて対談を終わりにしようかな。

nazomen チームの選手たちには世界のトップで戦っていってもらうっていうのが目標なので、スタクラの選手には「WCS」で本戦へ行けるように頑張ってもらいたいし、上手くサポートしていきたいですね。

スイニャン そうだね、応援してる!私は、こうしてスタクラ関連の記事を書いたり「GSL」指名式の通訳放送をやったりと、今までにやってきたことを続けつつ12月の「C4 LAN」までに何かひとつでも新しいことができたらいいな。

 

nazomen Twitter(@nazomen
スイニャン Twitter(@shuiniao
StarCraft2公式(英語)
StarCraft: Remastered公式(日本語)

 

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スイニャン

プロフィールを見る

韓国在住経験5年。在韓中の2006年ごろeスポーツと出会い、StarCraft: Brood Warプロゲーマーの追っかけとなる。帰国後2009年ごろからさまざまなWEBメディアで取材・執筆活動を行うほか、語学力を活かして韓国人プレイヤーのインタビュー通訳・翻訳や国際大会の日本代表団引率通訳などの活動も行っている。自らはゲームをほとんどプレイせず、おもにプロゲーマーの試合を楽しむ観戦勢。

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