人間って緊張し過ぎると、こんな顔するんだ。
2018年9月29日(土)。品川プリンスホテルの一室で行われた「eドラフト会議」のプレス席で、ロッテのズーちゃんの頭に視界を遮られながらしみじみと思った。
壇上に並ぶ選手たちは、放心状態だったり顔が土色になっていたりと、三者三様に異常な精神状態に陥っていた。
それも無理はないだろう。ゲスト解説の岩村明憲氏が冒頭のあいさつで指摘していたが、プロ野球ドラフト会議ではプロ志望届を出した選手が会場に現れることはない。ドラフト会議に満ちる独特の緊張感は、プロ野球選手ですら体験しない未知のものなのだ。
eBASEBALL選手の多くは、そこら辺にいる気のいい兄ちゃんだ。ドラフト後のTwitterに上げられていた夕食を見れば、松乃家や伝説のすた丼屋。球団入りを果たした夜でさえ、驚くほど等身大の「会いに行ける野球選手」。
eBASEBALL選手の年齢層は高めで、この記事を読んでるあなたと何も変わらない。
社会人をやっていれば……いや、大学生くらいからもう気づく。毎日は単調で、『パワプロ』のサクセスみたいに刺激的なイベントは飛び込んではこないって。経験値はなかなか溜まらないくせに、疲ればかりが溜まってまた1年が過ぎる。
それが選手たちの前に広がる光景はどうだ。華やかなステージと尋常じゃない報道陣。目の前には巨人のエースナンバーを背負う杉内俊哉投手や、名球会入りを果たしている和田一浩氏など、球界を代表するプロ野球OBが自分を品定めしている。
「またゲッツーかよ!」とテレビの前でディスった村田修一氏も、実物は人口密度の高い会場でもすぐに見つけられるほどのオーラを放っている。そんなジャパンの4番を背負った村田氏でさえ、試合前のロッカールームでは毎日吐きそうになってたという話は有名だ。
あの場にいたeBASEBALL選手は、毎日こんなプレッシャーに耐えていたプロ野球選手の偉大さに改めて気付いただろう。
江尻慎太郎、亀山努、杉内俊哉、鈴木尚典、永井怜、比嘉寿光、村田修一、和田一浩(敬称略)。
今回のeドラフト会議に参加したプロ野球OBの面々だ(この時点で杉内投手は球団選手)。プロ野球の第一線で活躍した選手が来るだけでも驚きなのに、球団によってはレジェンド級の選手まで出席するという力の入れ具合。
生放送の解説席には岩村明憲氏と真中満氏が座り、プロ野球ファンとしては心躍る空間だった。
会場も「プリンスホテル」という粋な計らいで、NPB(日本野球機構)の本気度が伺える。
ここで簡単にeドラフト会議の概要を解説しよう。
プロテストを突破した36名の選手に対し、プロ野球12球団が3名ずつ指名を行う。
この点で、所属球団以前にプロになれるかどうかが決まるプロ野球ドラフト会議と、プロ入りは確定していて所属球団だけを決めるeドラフト会議では、大きく意味合いが異なるといえるだろう。
1巡目、2巡目は入札抽選式を採用。12球団が同時に指名を行い、重複した場合はドラフトでお馴染みのくじによる抽選が行われる。
3巡目はウェイバー方式で、2017年のペナントレース順位の逆順から指名が行われる。最初がスワローズ、最後がホークスである。
ハイライトはいきなり訪れた。1巡目で2017年度チャンピオンのマエピー選手をヤクルト、日本ハム、楽天、DeNAの4球団が指名したのだ。
筆者は心の中で「真中、出番だ!」と叫んだが、残念ながら登場せず。結果的にヤクルトがマエピー選手を引き当てたので、真中氏がくじを引かなくて正解だっただろう。何のことかわからない人は「真中 ドラフト」でググってほしい。
2巡目にはふが選手をめぐり、中日とDeNAが競合。鈴木尚典氏と和田一浩氏という、おっさんのプロ野球ファンも大喜びのツーショットによって抽選が行われ、中日が当たりを引き当てた。全体的に指名の重複が起きないなかで、DeNAが2連敗で一人負けしたと形となった。
最も笑いが起こったのが、オリックスの指名。2巡目にいちろー選手、3巡目にN-岡田選手という「狙った」指名で会場を盛り上げた。
余談だが、筆者の前にいたズーちゃんが指名を待つ選手たちをおちょくる……もとい、緊張をほぐしているのが印象的だった。
スケッチブックに何かを書き込んで選手に見せたり、じゃんけん勝負を挑んだりとやりたい放題。会場にどこぞの燕がいないから平和だと思っていたのだが、とんだ伏兵がいたものだ。
ということで、当日の模様が動画配信されていることもあり、筆者の主観を中心にレポートさせていただいた。
ここからは、筆者とシブゲー編集部が独断と偏見で選んだ注目選手へのインタビューをお送りする。eドラフト直後の僅かな時間ではあったが、興奮冷めやらぬ選手たちの貴重な声になっている。
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