関西におけるeスポーツシーンの現状とは?現役大学生ながら株式会社PACkageを設立した元プロ「山口勇」氏に聞いた

TatsutaYuki
記事執筆:TatsutaYuki(@yuki_365bit

ゲームにおける対戦をひとつの “競技” として捉えた言葉、「eスポーツ」。2018年に入ってからeスポーツは様々なメディアで取り上げられるようになり、その人気や規模の大きさを実感する人も増えてきたのではないだろうか。

本稿を執筆している2018年10月現在、プロゲーミングチームやeスポーツサークルなどの活動が積極的に行われ、さらには福岡や静岡をはじめ日本各地にeスポーツ関連団体や協会が相次いで設立されており、国内においてもeスポーツ認知拡大の波は留まるところを知らない。
とは言え、プロリーグ大会や大型eスポーツイベントの多くは都心で開催されているため、首都圏から離れた地域ではeスポーツシーンの成長に時間がかかっているのが現状だ。

そんな中、大阪府に拠点を構える株式会社PACkageは、関西地方からeスポーツシーンをリードする注目の企業だ。同社は、『レインボーシックス シージ』(以下『R6S』)を採用した「PAC-CUP」をはじめとするeスポーツイベントやプロゲーミングチーム「Pro esports team Next Generation」(以下PNG)の運営、eスポーツに関わるクリエイティブ制作などに携わっている。

今回は、現役大学生ながらPACkageの代表としてeスポーツシーンの発展に尽力する山口勇氏(@yukuno2552)にインタビューを実施。PACkageの取り組みと関西eスポーツシーンの今、そして今後におけるeスポーツイベント運営の展望についてお話を伺った。

プロチームの選手からeスポーツイベント運営の道へ

――まず最初に、山口さんの簡単な自己紹介をお願いします。

山口 私は大阪電気通信大学の3回生で、eスポーツ関連のゲームメディア企画を勉強しています。もともとeスポーツとの関わりと言えば、2013年に自分でゲーミングチームを立ち上げて、『World of Tanks』の大会に出場していました。その後、PlayStation 4版の『R6S』をプレイしていた時にプロゲーミングチーム「野良連合」が設立され、同チーム所属の選手として1年半に渡って活動しました。

現在はPACkageの代表取締役として、「eスポーツのイベント事業」「ゲームチーム事業」「クリエイティブ制作等の受託業務」の3本柱でeスポーツ事業に従事しています。

――いちプレイヤーからチームやイベントの運営側に回った理由は何でしょうか?

山口 『R6S』の発売翌年の2016年頃から、自分でオンライン大会を開催したいと思うようになりまして。最初は小さな規模で開催していたんですけど、参加者が全然集まらなかったんです。

その中で私個人が行っていたゲーム制作の繋がりで企業の方とお取引する機会がありまして、まずは個人事業主という形で “PACkage” というものを設立しました。そして別の機会でスポンサー候補の企業の方とお話しした時に、「個人だと支援は難しい」と言われ、意を決して株式会社にした次第です。

“オフライン” にこだわり抜いた「PAC-CUP2018」

――PACkageでは、2018年4月から8月にかけて『R6S』の大会「PAC-CUP2018」を開催しましたよね。本大会についての山口さんの所感を教えてください。

山口 足りないことだらけですかね……。想定が足りていなかったと言いますか、私や私と一緒に弊社で働いている友人達が予想していなかったことが多発しました。あと、自分たちで用意したイベント機材の不良や、そういったトラブルへの対処法を考えていなかった準備の甘さが目立ちましたね。今後直していかないとな、と頑張っているところです。

ただ、大会に出場する選手の顔を目の前で見れて、そこで練習したりウォームアップしたりしている姿、そして何より彼らが喜んでいる姿を間近で見れたのは非常に嬉しかったです。今後もそんな光景を観客の皆さんと一緒に見られる場を作っていきたいと考えています。

――PAC-CUP2018を開催するにあたって、特にこだわり抜いたポイントはありますか?

山口 やはり小規模な大会ではありますが、「オフライン環境での開催」はどうしてもこだわりたかったポイントです。いきなりオフラインでイベントを開催したので問題は発生しましたが、意地になってオフラインで開催して良かったと思っています。

――オフラインだと、選手との距離も近いですもんね。

山口 そうですね。特にRayCyil選手たちが物凄く盛り上げてくれたので嬉しかったですね。

――ちなみに、なぜPAC-CUP2018に『R6S』を採用したのですか?

山口 一番の理由はやっぱり『R6S』が大好きだからです。今まで遊んできたゲームタイトルの中でも、おそらくダントツでプレイ時間が長いですね。文字通り寝る間を惜しんでプレイしました。

――それ程までに『R6S』に惹かれるポイントはどこでしょうか?

山口 普段からシューティングゲームが好きで『メタルギア ソリッド』や『Call of Duty』(以下『CoD』)、『Battlefield』などもよくプレイしていたのですが、『R6S』は対戦するステージが良い意味で狭いので、敵から攻撃を受けた場所が凄く分かりやすいんですよ。撃たれた瞬間に「ココから撃たれた」と分かる部分が響きました。ステージの広さや相手との距離感が自分とマッチしていて、FPSで戦う楽しさが伝わってきます。

――やられた時に納得がいくということですね。先ほどの話に戻りますが、PAC-CUP2018を次回開催する際に、具体的な改善策はありますか?

山口 とりあえず、しっかりとした配信場所を確保したいですね。実は現状、配信する前夜か当日の早朝に、私が車で機材を搬入しているんですよ。この作業に2時間ほどかかるので、まずは近場で配信場所を確保することが目標ですね。

この問題は解決しそうで、次の会場の目処もある程度立っています。その会場で決まれば、回線や画質面の問題も改善できそうです。あとはもう、「コメント対応」ですね。

――「コメント対応」と言いますと?

山口 以前なぞべーむさんがTwitterでつぶやいていたのが、大会の模様を配信しているとコメントが荒れる場合があるんですよ。それは、そうしたコメントの投稿を許してしまう運営側のミスでもありますし、単に視聴者同士の応援がヒートアップして野次や喧嘩に発展してしまう場合もあります。

その際に運営側の人間が仲裁に入るだけでも、多少コメントが改善されることがあるんです。炎上しているところに、和やかな空気を持ち込むわけです。他にも、「そもそもコメントしやすい雰囲気を作る」という効果も期待できます。PACkageで開催した大会の場合、運営者が発言した際はコメントの数が3倍近く増加したという事例もあります。今後も検証は必要ですが、効果が見込めるのであれば、この取り組みは今後も続けていきたいと思っています。

eスポーツコミュニティ成長のカギは「大学生」
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TatsutaYuki

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8bitと16bitに想いを馳せるフリーライター。そしてハードやユーザーと共に変遷するゲーム文化に目がない好事家。eスポーツを文化論の見地からざっくりオモシロく読み解く。

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