50周年を迎えたオールナイトニッポンはなぜ今eスポーツをテーマに番組をつくるのか?メインパーソナリティAKIとニッポン放送 編成局長 瀬尾氏に聞く

編集:シブゲー編集部

昨年で番組開始から50周年を迎えたオールナイトニッポンで、今秋10月よりeスポーツをテーマとして番組がスタートした。番組名は「AKIのオールナイトニッポン0 ~eスポーツSP~」。

今回のインタビューでは、メインパーソナリティを務めるマルチタレントのAKIさんとニッポン放送 編成局長の瀬尾伊知郎氏に、番組を開始した経緯や番組と連動して行われたイベント「e-STARS episode 0」開催の経緯とその感触についてお話を伺った。

ゲームでコミュニケーションをとってきた

――それでは、よろしくお願いします。eスポーツと銘打ったラジオ番組は日本でも初の試みだと思います。今回AKIさんがパーソナリティとして抜擢されたきっかけは何でしょうか?

AKI もともと個人的にゲームが好きなんです。だから今、eスポーツが世の中で盛り上がっていてニッポン放送でも取り上げようとなったときに、ゲームが好きで、eスポーツも好きで、かつ色んなジャンルのMCをこなしていてお喋りも多少はできる、そういう部分で期待されてオファーをいただいたんじゃないでしょうか。

――AKIさんがゲーム好きということは業界で知られていたのですね?

AKI さすがに引かれると思ってあまりSNSでは発信しないんですけど、『モンスターハンター』とかやってるときはホントにお風呂に入るのが面倒くさいぐらいで、UberEATSでご飯頼んでずっと遊んでる、みたいな状態でした。

ゲーム自体は小学校低学年の頃のスーパーファミコンに始まって、『ポケットモンスター』なんかは直撃の世代です。学校での話題も部活動以外はゲームの話が主流だったので、ある意味ゲームでコミュニケーションをとっていた世代なのかもしれません。

 最近は『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』(以下、PUBG)を滅茶苦茶遊んでます。はじめはリアルの友達としか遊んでませんでしたが、最近は知り合い以外ともボイスチャットしながら遊ぶようになりました。この前なんて現役パイロットの人とチームになって「可愛いキャビンアテンダントがいたら口説くんですか?」とか他愛もない話なんですけどすごい盛り上がって。普通に生きてたら絶対出会えないような人とネットで軽く知り合えて、連帯感を味わえるというのが僕にとってはゲームの最大の魅力です。

AKIさん2
「AKIのオールナイトニッポン0 ~eスポーツSP~」メインパーソナリティのAKIさん

 ――ということは、RPGのようなソロゲーよりは、チームゲームのほうがお好きなんでしょうか?

 AKI チーム全員で同じ目的に向かって、感動や達成感を共有できるのが好きなんです。大人になるにつれて人生における刺激に慣れてくるというか、脳内物質がドバドバ出てるみたいな状態ってなくなってくると思うんですが、ゲームだけは別ですね。

韓流アーティストとのゲームを通じた交流

 ――PUBG』をプレイされたきっかけを教えてください

AKI もともとゲームと関係のないK-POPのお仕事をやっていたんですが、韓国ってめちゃくちゃゲームをやる国じゃないですか。韓国のアーティストに会ってする話って、だいたいメシの話とゲームの話なんです。だから『PUBG』がまだ日本でも流行ってない頃から、バトルロイヤルってジャンルがあることは知っていました。最初は韓国のアーティストと一緒に遊ぶために『Overwatch』を始めたんですが、『PUBG』も同じような流れで遊び始めました。

 ――今でも韓国のアーティストや、あるいはeスポーツ選手とプレイされるんでしょうか

AKI eスポーツ選手とプレイすることはないんですけど、アーティストのみんなとは遊びますね。韓国ではアーティスト同士でプレイしてる人も多いみたいです。みんなかなりうまいですよ。たぶんテレビ番組やネット配信でうまい人のプレイを見る機会が多いからじゃないでしょうか。

 ――そういう経緯で先日の「e-STARS episode 0」でも総合MCを務められたというわけなんですね。イベントの手応えはどうでしたか?

AKI 音楽とeスポーツの融合イベントということで、すごいなと思ったのは退屈な時間が一瞬も無かったことです。後日SNSをチェックしたら、アーティストさんのファンでeスポーツはよくわからないという人も楽しんでくれてたみたいで良かったです。

出演されていたノ・ミヌさんというアーティストさんも「こういう形式のイベントは韓国にないし、お客さんにここまで一体感が生まれるイベントはなかなかない。韓国でもやりたい!」と言っていたくらいで、ホントにその通りだと思います。

他にも 早稲田大学のeスポーツサークルの学生が、ステージでアーティストさんの代役として会場からの期待と歓声を一身に浴びながらゲームをプレイしていた時には「一生のうちでここまでたくさんの人から声援を浴びることが他にあるかな?」と思うくらいのものすごい状況になっていて。それこそ細田守監督の『サマーウォーズ』のラストみたいな楽しさがありましたね。

 ――今回は『ぷよぷよ』と『ギルティギア』がタイトルとして採用されましたが、次回開催されるとしたらどんなタイトルがいいですか?

 AK 今回は11のタイトルだけでしたが、次回はぜひチームで対戦できるタイトルがいいです。前に友達が主催する『荒野行動』のオフ会に行ったんですが、画面に映る視点は一人のものなんですけど、それでも面白いんです。

僕はお笑い出身なので、ゲームをしていてもボケたいんですよね。たとえば『PUBG』で敵が少なくなるにつれて服を脱いでいくとか。最後の11でいきなりフライパン持って突っ込んでいくとか。勝利っていう大事なものがかかっている状況って、まさにお笑いのフリそのものなんです。だからボケずにはいられない。ホントにうまい人のプレイを見たら感動しますけど、それ以外の楽しみもあるよなと思います。そういうのを将来的に大画面で魅せられたら本望です。

AKIさん1

ゲームに触れるきっかけを作る

 ――オールナイトニッポン0(ZERO)の話に移りますが、正直なところラジオでeスポーツが取り扱われるということに我々も驚いています。最初にオファーが来たときにどう思われましたか?

AKI もう理解できないというか。僕もラジオは4年半くらいやらせてもらってたんですが、ラジオって見えないものを言葉で表現するメディアじゃないですか。それをゲームでやるのって無理だろうと思っていました。

でも実際に初回の放送を終えてみて、僕の仕事はゲームに触れるきっかけを作ることだと気づきました。ラジオを聞いてくれている潜在的なeスポーツプレイヤーに、ゲームの面白さについて知ってもらえるような番組にできればいいなと。

 ――初回放送での共演者が、ゴールデンボンバーの歌広場淳さんであったり、eスポーツコミュニケーション代表の筧誠一郎さんであったり、ネームバリューのある方ばかりだったと思いますが、その点についてはどうでしたか?

AKI 歌広場さんとはSNSではお互い認識しあっていたんですが、お会いするのは初めてでした。チームゲームが好きな僕と格ゲーが好きな歌広場さんで、eスポーツが好きという点では共通していながら、ジャンルは違うのでお互いeスポーツに対するイメージも違っていて。学校の休み時間みたいに知らないところをさらけ出しあいながらコミュニケーションをとれたこともあり、仲良くなれて良かったです。

それから筧さんは、ゲームに対して本当に愛があって、ゲームを普及していこうと前線で戦われている方ですからね。お互い好きなものを共有していると年齢による境界線なんてないんだなと実感できました。僕は元芸人ということもあり、憧れのオールナイトニッポンは滅茶苦茶緊張して、今でも初回放送のときの記憶が無いぐらいなんですけど、それでも歌広場さんと筧さんに共演していただいたおかげで随分肩の荷が下りた気分になれました。

 ――歌広場さんとのゲームに対するスタンスの違いみたいなものは何か感じましたか?

AKI 歌広場さんがボイスチャットをしたことがないというのが一番の驚きでした。格ゲー専門なのでチームプレイは経験がないみたいで、だからその点では歌広場さんには「なにやってんだ!」って言いたいです(笑)。ゲームの素晴らしさの一つを歌広場さんに教えてあげたい。

でも僕も歌広場さんから教わることはたくさんあって、たとえば格ゲーの面白さ。それこそウメハラさんの有名な試合の動画を教えてもらって見た時は、その盛り上がりっぷりに衝撃を受けました。僕は格闘ゲームについて知識はありませんが、あの盛り上がりはすごく共感できて、格ゲーというのはああいう瞬間に立ち会えるゲームなんだなと思って。だから格ゲーは歌広場さんきっかけで興味が出てきてます。

 ――AKIさん、来年2月に福岡で開催されるEVO Japanに出場されませんか?もしよければアーケードコントローラーも用意しますよ!

AKI いいんですか!オールナイトニッポンの仕事が決まって、ゲームの仕事増えると思ったから65インチのテレビを買ったところなんですよ。やります!

 ――テレビを買われたんですか。ぜひ出場してください。

AKI 芸人の先輩に教わったんですよ、無理してでも色々買ってモチベーション上げろって。だからテレビとか、喉のケアのための空気清浄機とか買ったりして(笑)。でも空気清浄機、けっこう大事ですよ。ゲーマーとボイスチャットしてると、朝方とかかなりゲホゲホ言ってますから。メーカーさんがゲーマー向けに「ゲーミング空気清浄機」とか開発したら売れるんじゃないですか?

eスポーツは現代版の部活動

 ――空気清浄機のプロデュースもありかもしれませんね!それはさておきこれからeスポーツ業界において、何か取り組んでいきたいことはあるでしょうか?

AKI 僕はeスポーツがみんなが笑顔になれるツールとして広まればいいなと思っています。現代版の部活動とも言えるかもしれません。僕は運動が得意で、学生時代は野球とバスケをやっていて、あの時スポーツで得た感動は一生の宝物です。でもスポーツが苦手な子やレギュラーに入れない子は、僕と同じ感動や達成感を味わえてたのかなと思うこともあって。eスポーツを通じてみんながスポーツの感動や達成感を味わえるようになれたらなと思います。

 ――最後に一言お願いします。

 AKI 実は今やってみたい企画があります。僕が触ったことのないゲームを大会に向けてひたすらやり込むという、そういう企画なんですけど。それこそEVOへの挑戦であるとか。あとはYoutubeチャンネルでの動画配信にも挑戦したいですね。

AKIさん3
続いて、ニッポン放送 瀬尾編成局長に聞く、オールナイトニッポンが「eスポーツ」に注目する理由
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京都生まれポケモン育ちボンクラオタクはだいたい友達。「ゲームにまつわる役に立たないけど面白い文章」をモットーに、ゲームブログ「オレにゲームをやらせろ。」運営中。

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