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【PUBG選手インタビュー】SunSister Suicider’s所属 CrazySam「どれだけ1位を取っても、自分たちの力で“勝った”という感覚は未だない」

完全に勝利したと思えた試合は、これまでにたった1度だけ

――αリーグやβリーグについても、振り返ってお聞きしたいと思います。それぞれのシーズンの総合成績を、どのように捉えていましたか?

今も昔も変わらず、結果に対しては運だなと思っています。どれだけ1位を取ったとしても、先ほど話したような、他チームの状況に左右されず、完全に自分たちの力で勝ったという感覚はずっとありません。まぁ本来は、他チームの弱点をついたりして戦うのが、『PUBG』では当たり前だとは思うんですけど……。

もちろん振り返って考えれば、自分たちの成長を感じる部分もありますが、結果が他チーム任せになっていることは変わらないので、全体的に見るとあまりやっていることは変わらないと感じています。

――総合順位がどうだったかではなく、試合内容に納得いくかどうかが重要だと。

そう思っています。納得いく試合という意味では、CiNVeが入ってしばらくした頃のスクリムで、1度だけ「完全勝利した」と思えた試合があったんですよ。

ミリタリーベース側にエリアが寄って、どんどん外れていく安全地帯に移動しながら、ひたすら敵を倒すというのを繰り返して、4人生存でドン勝して。終わった瞬間に、「これは勝った」「今までで1番勝った」みたいなことを言っていたら、他のメンバーからは「お前、何言ってんだ?」って反応をされたんですけど(笑)。

キル数はそこそこで、そんなに敵を倒しまくったというわけではないんですが、その試合がいまだに印象に残っています。そういう本当の勝ちと、あまり良くない勝ちというのが、自分の中にはありますね。単に勝ったら終わり、ではないです。

――その「勝った」と思える試合を、大会でも安定してできるのが理想ということになるんでしょうか。

それを実現するためには、戦いにいく姿勢を全面に出さないといけないんですよね。言ったら、侍みたいな戦い方じゃないですか(笑)。そんな綺麗事ばかり言っていられるほど余裕があるわけでもないし、難しいですね。

もっと戦い抜く姿勢で経験値を積んでいけば、強引に戦った時でも負けないチームになれるんじゃないかとメンバーにはよく伝えるんですけど。まったく合理的な話ではないので、いつも「言いたいことはわかるけどね」と言われます。

――その話を聞くと、チームで上手いことバランスが取れているという感じもしますね。

そうですね、それは間違いないです。自分でもそう思います。

――βリーグでは、世界大会「PGI」の出場枠を逃す結果もありました。「SunSister Suicider’s」としては悔しい結果だったと思いますが、チームではどんな話をしましたか?

βリーグでは、攻めれば勝てそうなチャンスがあった場面で戦わずに隠れていて、それが結果的に負けに繋がった試合が結構あったんです。それをすごく後悔していて、そこからチームとしては変わったんですけど……。

でも、さっき例に挙げた試合で言えば、「CGX」と「RJ」が撃ち合った瞬間に、待つんじゃなくて戦いに行かないと、本当に変わったとは言えないですよね。そういう意味でも、突き詰めて考えればあまり変わっていない。ああいうチャンスを、自分たちの力で物にできるようにならないと、いつまでたっても海外のチームには追いつけないと思っています。

海外チームに感じる差は、一瞬の隙をつく戦闘のスピード

――これまで海外大会に出場してきて、海外チームとの力量の差を感じる部分はどんなところですか?

エイムや立ち回りといった単純な話を抜きにすれば、一瞬のチャンスを的確につかむ圧倒的な”スピード”だと思います。

具体的な場面で説明すると、例えば自分たちが2階建ての家を取っているとするじゃないですか。外の不利なポジションに敵チームがいるのが見えていて、警戒していると。その時に、違う方角から別チームの車が近づいてくる音がしたら、そっち側の窓へ寄りますよね。この本当に一瞬、目を離したわずか数秒の隙をついて、さっき外に見えていたチームが4台の車で突っ込んでくるんですよ。

その判断と詰め方がとにかく速い。一気に囲まれて形勢逆転して、そこからは展開力の差であっという間に全滅させられる、というのが海外の戦いなんです。

――大会視点で観ていても、わかるかどうかという本当に一瞬の隙ですね……。

日本だと、現状これができるチームはいないと思います。敵が強くなればなるほど、そうやってギリギリまでリスクをかけた攻め方をしないと勝てない。海外では、向こうがそれをやってくるのに対して、こっちは普段そういう動きをしていないので、対応できずに終わってしまうんです。

――生き延びた順位が重要なバトルロイヤルである以上、どこまでリスクをかけて戦うべきかという判断の難しさは常に伴いますよね。

もちろん安全なポジションから撃てれば、それがベストなのは間違いないんです。ただ敵が強ければ強いほど、そのチャンスをくれないんですよね。こっちが不利になった時にどう取り返すのか、というのが今学ぶべきところなのかなと思っています。

――日本チームが海外大会で勝てるためには、何が必要だと思いますか?

やっぱり今言った”スピード”ですね。それがあれば、チャンスはあると思います。ただ、そもそもの考え方の違いが大きくて、日本のチームはセーフティな考え方なので、それで失敗しているところはあると思います。もちろんメリットもあるんですけど、海外の戦いでは、あまりそういう考えが通用しないなと。

――日本チームが海外大会で思うように戦えないケースは往々にしてありますが、それはそのスタンスの違いが大きいと思いますか?

間違いなくそれが原因のひとつだと思います。戦えないというか、結局のところ戦うための動きをしていないんですよ。戦いたいなら仕掛ければいいのに、有利な場所を探して逃げ回っている状態なんですよね。

――そして、その状況で有利なポジションが取りに行けるほど、世界は甘くはないと……。

彼らは最大限にリスクをかけてポジションを取りに行っているので、入り込む隙がないんですよね。あそこは敵がいるから逃げよう、と考えていたら、間違いなくどのポジションも取られています。

しかも、彼らはその中でも、どんどん有利なポジションを探して動いていくんですよ。最近それを参考にして上手くいっている部分もあるんですけど、当然ながら敵のレベルが上がるほど、そう簡単にはいかないですね。

完全に「勝った」と言える試合を、いつか海外大会で

――それでは最後に、今後の目標と夢についてお聞きしたいと思います。まずは、CrazySamさんの今の目標から教えてください。

まずは、やっぱり国内で安定した順位を取り続けることですね。「これ以上どうしようもなかった」という試合以外は、常に1桁を取っていけるチームになれば、国内では圧倒的に勝てるチームになると思うので、そこを目指していきたいです。

――さらに、その先に思い描く夢を教えてください。

世界大会で勝つことですね。現状ではあまりに無謀すぎて、勝つというのも恐れ多いんですけど……。

――「世界大会で勝つ」という夢をどんな形で叶えたいか、イメージはありますか?

さっき話したような自分の中で納得のいく“完全な勝ち方”をしてみたいですね。どんどん外れる安全地帯に向かって移動しながら、ひたすら敵をなぎ倒していって、気づいたら自分たち4人しか立っていなかった、みたいな。

そうなったら、やっと気持ち良く「勝ったぞ」と言えると思うんです。ましてや、それが最もレベルの高い世界大会でできたら、もう間違いなく「勝った」と言えるなと。それを1ROUNDでもいいからやってみたいですね。

――いつかその”完全勝利”を実現した暁には、ぜひともまたお話を聞かせてください。CrazySamさん、本日はありがとうございました!

関連リンク

CrazySam選手 TwitterTwitch
PUBG JAPAN SERIES 公式サイト

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綾本 ゆかり

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ソーシャルゲームをつくっていた会社員時代を経て、現在はフリーライターとして活動。PUBGで観戦の楽しさを知ったことをきっかけに、eスポーツの世界へ。ゲームやプレイヤーの魅力を伝えるべく、イベントレポートやインタビューを中心に取材記事を執筆します。

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