タイピングモンスターが集いし「REALFORCE TYPING CHAMPIONSHIP 2018」に参加してみたら想像以上に修羅の国だったお話

2018年11月18日(日)に開催された、1年に1度の大型タイピング大会「REALFORCE TYPING CHAMPIONSHIP 2018」(以下、RTC2018)。

その解説を務める隅野貴裕氏曰く「手段と目的が逆転した人たちこそがタイパー」とのことだが、正にその通りだろう。
そもそもタイピングとは文章を執筆して理論や意見を伝えるための『手段』に過ぎず、いかに早く正確にタイプできるかどうかは、本質的にその『目的』とは関係ない。

しかし「RTC2018」に出場するタイパーたちはその『手段』を追求し続ける人種であり、だからこそ恐ろしく早い。

本稿は、修羅の集いし「RTC2018」に軽い気持ちで出場してしまった愚かな筆者による、体験型フォトレポートである。
想像だにしていなかった大会の熱量を読者の皆様にお届けできたらと思う。

「REALFORCE TYPING CHAMPIONSHIP 2018」との邂逅

東京の中野でタイピング大会……?
えっ、しかも、その優勝者には10万円分のAmazonギフト券とREALFORCEのキーボード(しかも好きな型番)……!?

これほどに豪華な賞品が用意されたタイピング大会「RTC2018」が、eスポーツ施設として名高い中野の「Red Bull Gaming Sphere Tokyo」にて開催されるとの情報を、独自のルートによって手に入れた(googl〇先生ありがとう)。

「RTC2018」ではオンライン予選を勝ち抜くことで得られる「本戦枠」と、当日予選を勝ち抜くことで得られる「当日枠」の2つの枠がある。

もちろん参加するのは、オフラインの「当日枠」一択!

オフラインにおける独特な雰囲気、そしてままならぬプレイ環境。そういった場ならば、タイピングガチ勢に対しても付け入るスキがあるのではないか……?
という少し邪知深い考えを胸に秘めつつも、Amazonギフト券とREALFORCEのキーボードのため、当日予選にて戦うことを心に誓った。

とりあえず会場へ行ってみた

中野の「Red Bull Gaming Sphere Tokyo」は地下に構えるゲーミングスペースである。Red Bullのバーカウンターもあるし、照明もオサレ。受付のねーちゃんも可愛いし、バーテンダーっぽい兄ちゃんも格好いい。想像以上にスタイリッシュな会場だ。

失礼なのは承知で言わせてもらうと、タイピング大会というのはもっとこう公民館とか、大学の教室とか、そういう教育機関っぽい所でやってるイメージだったわけ。

それが一転、まさかのお洒落空間。もうこの時点でタイピング大会に対する固定概念が覆されてしまったのである。
しかも入り口を通ると目の前には、これ見よがしにズラッと並ぶREALFORCEの逸品たち。これらひとつひとつが確実に数万以上はする極上キーボードだと思うと……くぅ~たまんない!
キースイッチ体験用のキーボードも設置されており、とめどないキーボード愛の片鱗が垣間見える。

多種類のキースイッチを比較して打鍵できるキーボード。読者の皆様はどれがお好き?

また会場に入った際にはレッドブルを無料で1本貰える金券ならぬブル券をゲット。Red Bullさんわかってるぅ~。
そうこうする内に続々と当日予選に参加するタイパーたちが集まり始める。なるほど、彼らが対戦相手になるかもしれない戦士たちか……。
うむ、強いかどうか全くわからん。(そりゃタイピングが強いかどうかなんて見た目じゃ分かるはずないんだよ。)

大会ルール

ルールは上記画像の通り、「WeatherTyping」という対戦型タイピングソフトを使用して1対1の対戦を行っていく。
1ワード(20文字前後の文章)を打ち切る速さを競い合い、どちらかが先に10ワードを打ち切った時点で試合終了。正確性と速さからポイントが加算され、最終的なポイントの優劣で勝負が決まるという仕組みである。

ちなみにテーマとなるワードも4種類、「元気ワード」「eスポーツワード」「タイピングワード」「3種の混合ワード」と用意されている。

出典:REALFORCE TYPING CHAMPIONSHIP 2018

そして「RTC2018」のポイントとして「正確性95%」という特別な基準が設けられている。これは簡単に言うと、正確性が95%を下回った選手はトータルポイントに関わらず敗北となり、両者が95%を下回った場合はトータルポイントで勝敗を決定するといった規定だ。

95点って……テストでも小学生以来ほとんど取ったことない数値だぞ。一気に不安になってきた。
お待ちかね! 勝者のみに与えられる甘い蜜、賞品の数々! 不安だった気持ちが一気に晴れ渡るのを感じる。

注目はココ、「REALFORCEキーボード(ご希望のモデルを選択できます)」! 好きなREALFORCEキーボード製品を手に入れられるなんて、なんというロマン溢れる賞品企画。このために来たんだよな!

abara氏(奥)、隅野貴裕氏(手前)

実況はタイピング界にeスポーツ実況の新風を吹かせるが如くabara氏が担当。そして解説は「全日本タイピスト連合」の代表も務めている隅野貴裕氏が担当。

隅野氏は2017年のTGSにて行われた「RTC2017」の解説も担当しており、タイピングに関する書籍を出版、パソコン入力コンクールを前代未聞の6連覇、内閣総理大臣賞、総務大臣賞、東京都知事賞などを受賞するなどの信じがたい経歴の持ち主。

また「エクストリームタイピングがライフワーク」というのは本人談だが、エクストリームタイピングってそもそも何のことなのだろう……?


えっ、どういうこと!? これがエクストリームタイピング!!? マンタ・タイピングってマンタ関係ある!? しかも海の中でタイピングしてPC大丈夫なの!?
数々の疑問が思い浮かぶも、確信することはただ1つ。
隅野氏は間違いなく“ぶっ飛んだタイピング狂い”である。正にエクストリーム……。

当日予選

さあついにやってきた当日予選!
当日予選は「かな入力」と「ローマ字入力」の2種類が用意されていたが、「かな入力」はタイピング上級者が蔓延るとんでもない魔窟と化していたので、もちろん私は「ローマ字入力」側で出場することにした。

まあ、そもそも「かな入力」でタイピングしたことないんだけどね。(調べてみたら「かな入力」でタイピングする人の割合は5%前後とのこと。大会会場では明らかに10%以上いたが……)

予選の様子。マイキーボードを持ち込んでいる選手がほとんど。

大会登録したのだから当然なのだが、係員の方に名前を呼ばれる。1回戦でいきなりの出番だ。
心の準備が! あと指先が少し震えてるような……。えーい、とりあえずやってやる!!

なんと、1回戦はまさかの突破でした!
特別規定となる「正確性95%」を利用した丁寧かつ華麗なタイピングによりどうにか勝利をもぎ取ることに成功!あまりに興奮して試合前後の写真を撮れなかったのは致し方無しと言ったところだろう!
GGWP!

ここだけの話、1回戦でボロ雑巾のように負けると思っていただけに、まさかまさかの勝利によって内心とんでもなくはしゃいでいた。
「あれ、ノリで大会出場しちゃったけど、これもしかして予選突破いけるのでは」
タイピングドリームを頭の中にチラつかせながら、次の第2回戦に臨む。相手は悠雅選手。絶対に勝つ!

ボロ雑巾のように負けました。
いや、ピンポイントでは取れそうだったんですよ? 一つも取れないのは流石に屈辱的なので、悠雅選手がタイプミスをした瞬間に全力を出すという、姑息な感じでタイピングしてました。でもその時の悠雅選手の追い上げっぷりといったら半端ではなかった。タイプミスしても一瞬で逆転するんだから、もう馬力が違う。
最終的には20-0の完敗。まるで三輪車vsスポーツカー、赤子vs横綱のような戦い。タイピングドリームが粉々に砕け散った瞬間でした。
マイキーボードをがっつりと主張する悠雅選手。自然と出てきたキーボードアピールに、そこはかとなく感じるキーボード愛。マイキーボードすら持参していなかった自分には、そもそも勝利する資格が無かったということか……。
全ての面において完敗。あの尋常じゃないタイピングスピード、彼は間違いなく優勝候補だろう。

MIO選手

なんと小学生の歳で参加している選手の姿も!
かわいらしい参加者だと対戦画面を見てみたら、とんでもないタイピング速度を叩き出しており目が点に。なんだこの大会、蓋をあけてみたら化け物しかいないぞ。
しかし試合自体はオリプス選手に阻まれ、惜しくも敗退。小学生すら容赦なく叩き落とされてしまうタイピング道。勝負の世界はあまりにも非情だ……。
こちらも小学生のUSK選手! タイピング速度は言わずもがな、将来有望なタイパーとしてタイピング界に名を馳せる日も来るのだろうか、末恐ろしい限り……。1回戦は見事に突破した様子。

当日予選はそのままつつがなく進行し、準決勝に突入。私と激戦(0-20)を繰り広げた悠雅選手と、強豪オリプス選手のマッチアップがスタート。ここで勝った方が見事本戦へと駒を進められる。頑張れ悠雅選手、君なら勝てる!

オリプス選手(奥)、悠雅選手(手前)

しかし、悠雅選手、まさかの敗退。
私を圧殺した悠雅選手を、その圧倒的なまでのタイピング力によってねじ伏せたオリプス選手……上には上がいるっていっても、悠雅選手のタイピングがそもそも私の人生の中でも最速レベルだったんだけど……。
個人的な優勝候補は敢え無く準決勝で敗退。しかし3位決定戦で勝ち上がれば本戦にも出場できるとのことなので、悠雅選手にはまだ望みアリ。

tanigon選手(左)とdqmaniac(右)選手の様子。両名とも圧倒的なタイピング。

こちら場面が変わり、「かな入力」側の対戦カード。解説曰く本戦で行われるべき豪華対戦カードらしく、予選でやるのは勿体ないという嘆き声が鳴り響いていた。
そもそも「かな入力」を使いこなしてる人を日常で見かけたことが無く、この大会会場で初めて目にしたレベルだ。
それがまさかの全国でも有数の使い手同士の対決らしいのだから、「かな入力」は魔境である。

cocoa選手(奥)、悠雅選手(手前)

そして当日予選最終試合となる「ローマ字入力」3位決定戦、悠雅選手vscocoa選手。ここで勝った方が最後の本戦出場枠を手に入れられる。
最後の出場枠を賭けて精魂込めたタイピングを披露していく2人。悠雅選手はスピードの速いタイピングを魅せつけていくが、正確性の高いcocoa選手が悠雅選手に容赦なくプレッシャーを与えていく。

試合直後の握手。全てのマッチで、選手同士が握手を交わして試合は終了する。

最終的にはcocoa選手の勝利。悠雅選手あと一歩及ばず。最後はスポーツマンシップに則り、互いに握手をして当日予選は終了。
いや、悠雅選手でさえ歯が立たないタイパーがそこかしこにいるなんて……。
もしかしてとんでもない所に来てしまったのではないか。大会のレベルの高さに戦慄せざるを得なかった。

本戦前の休憩時間。選手の方々にインタビューしてみました!
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Green Leaves所属。現在はチームのマネージャーを担当。選手としての経験と、チームのマネージャーとしての活動を武器に、eスポーツに関わる様々な取材・執筆活動を行う。

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