パワプロ・プロリーグ第3節「宣戦布告が作る物語」 後半は読売ジャイアンツ3選手へのインタビュー!

宣戦布告!前チャンピオン対新世代

敗残兵。試合後、インタビューに答えるマエピー選手の表情を見て浮かんだ言葉だ。

「試合に負けた」という落胆では形容できない。戦に負け、全てを失った兵士のような表情だった。

記者からの問いかけにも「どうやって打てばいいかわからない」「自信をなくしてしまった」と、なんとか絞り出すように答えるばかり。

それほどまでに、全てをかけた試合だったのだろう。

始まりは一週間前。第2節の読売ジャイアンツ対横浜DeNAベイスターズの第1試合。
ころころ選手を撃破したAO選手が、勝利者インタビューの場で突然の宣戦布告を発した。

「3試合目、マエピーさん待っていますので。マエピーさん、試合しましょう」

「チームの作戦」と補足され、後々にベイスターズの軍師じゃむ~選手による発案と明かされたが、その部分はあまり多くの人に届かなかっただろう。

チャンピオンへの宣戦布告。格闘技界では見慣れた光景であり、観客のボルテージが高まる展開。
この話題だけで、様々な思惑をすっ飛ばしてしまうのに十分なバリューがある。

筆者の頭のなかでは、二人の対戦の構図はこのように変換されていた。

AO「マエピー、やろうよ。ロートルの時代は終わったって証明してやるよ」

マエピー「オレを誰だと思っているんだ? チャンピオンだぞ。負けた後の言い訳を今から考えとくんだな」

重ねて言うが、両選手はこんなことを言っていない。……いや、本人もTwitterでガッツリかましてたか。


第2節終了時点で、AO選手は2連勝、マエピー選手はまさかの2連敗。はっきり言って、マエピー選手が勝負を受けるにはあまりにもリスクが多い展開だった。

しかし、マエピー選手は受けて立った。

単なる勝ち負けを超えた、プライドをかけた勝者総取りのマッチメイク。

結果は、マエピー選手の惨敗だった。

要所でファインプレーを連発しAO選手の猛攻をしのぐも、3回には継投した村中の初球を筒香が2ランホームラン。4回にはロペスの二塁打からの1点。5回には再び筒香がソロホームランと、AO選手は効果的に得点を重ねる。

マエピー選手のバットは湿ったまま、最終回。二死満塁と一打同点の場面まで作るが、終わってみれば0対4の完封試合。

宣戦布告を放ったAO選手の完全勝利となった。

興行として理想的なかたちだった「マエピー選手対AO選手」

パワプロ・プロリーグへの親しみやすさは、プロ野球12球団の旗印のもとに、実在の選手を使用して争われている点にある。

新興スポーツの敷居を高くしている、「誰を(どのチームを)応援するか」、「ルールを覚えなくてはならない」といったハードルが、パワプロ・プロリーグにはない。

野球好きであれば、予備知識はそのままでパワプロでも推しの球団を応援できるのだ。

そして、入口まで来てもらったら、今度はプレイヤーへの理解を深めてもらわなければならない。プロ野球は、単なる「チーム対チーム」の構図だけで争われるものではないからだ。

王貞治と江夏豊、松坂大輔とイチロー、坂本勇人と田中将大……様々な「選手対選手」の名勝負に、観客は盛り上がる。チームや選手たちの間柄で重層的な楽しみ方をするのが、チームスポーツを追う醍醐味といえるだろう。

しかし、パワプロの選手たちはドラフト会議で指名されたばかりの新人のようなもの。個々のプロフィールはおろか、選手たちがそれぞれどういった間柄なのかをeペナントレースのあいだに覚えてもらうのは難しい。

その点、マエピー選手とAO選手の「前チャンピオン対ルーキー」という対決は、誰の目にもわかりやすい。
おそらく、多くの観客にとって初めて「選手対選手」の構図として見た試合になったのではないだろうか。

そしてこの構図こそが、パワプロ・プロリーグがさらに発展していくために必要となる要素だ。
因縁の対決、リベンジ、世代交代……ひとつの試合に物語が付与されたとき、注目度は格段に上がる。

だからマエピー選手は、ここで折れてはいけない。牙を失ったチャンピオンとして、それでも食らいつく姿を見る人の心に刻みつけてほしい。

そしてAO選手には、チャンピオンを倒した新世代の中心選手としての物語が要求されるだろう。
パ・リーグで西武ライオンズが無傷の9連勝を続けるなかにあって、AO選手に求められるハードルは上がっているが、ぜひ勝ち星を積み重ねてほしい。

eペナントレースもこれから終盤戦。両選手の勝ち星の行方に、どんなストーリーが生まれるのだろうか。

試合後の読売ジャイアンツの3選手に独占インタビュー
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砂拭

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シブゲーの某編集者との癒着によりeスポーツ業界へ潜り込んだ自称ライター。スポーツ紙よりはパワプロに詳しく、ゲームメディアよりは野球に詳しい独自のポジションでeBASEBALLライターの覇権を狙う。

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