eスポーツシーンを見据え、PC版とモバイル版を軸に展開する『PUBG』のこれから – PUBG Corp. JAPAN 井上洋一郎氏インタビュー

PC版に続き、Xbox One版やモバイル版、そして2018年12月7日にはPS4版のリリースと、さまざまなプラットフォームへの展開を進めている『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』(以下、PUBG)は、全世界の累計プレイヤー数が4億人を突破。

今年7月にPUBG Corp.が主催した初の公式世界大会「PUBG Global Invitational 2018」(以下、PGI)は、全世界で同時接続1億人の視聴者を集めるなど、そのeスポーツシーンの盛り上がりにも大きく注目されています。

本記事では、グローバルに展開するPUBG Corp.の日本拠点にてゼネラルマネージャーを務める井上洋一郎氏にインタビューを実施。PC版とモバイル版での、これまでの取り組みと今後の展開について、そして国内の『PUBG』eスポーツシーンにおける展望について語っていただきました。

『PUBG』コミュニティ活性化を目指し、PUBG Corp. JAPANへ

――井上さんはこれまで、オンラインFPSゲーム『Alliance of Valiant Arms』(以下、AVA)のプロデューサーとしての活躍を経て、現在PUBG Corp. JAPANのゼネラルマネージャーを務められています。まずはジョインされた当初のお話からお伺いできますか?

これまで『AVA』プロデューサーとして、オフラインイベントを中心としたコミュニティ施策を続けてきた経歴もあり、『PUBG』のコミュニティ活性化させたいということで、昨年から継続的にお話をいただいていました。

PUBG Corp.には今年の5月からジョインしたのですが、4月にモバイル版の事前登録のスケジュールが決まり、いきなりTVCMを含むプロモーションの企画書を渡されて、「これは誰がやるんですか?」という状況になりまして(笑)。

そこから急遽、タスクフォースチームをアサインして動き出しました。『PUBG MOBILE』の事前登録サイトを2週間で作り、TVCMのスケジューリングをして。キャストさん4人の予定を抑えられる日があったのでCM撮影をして、その前日にはリリース記念パーティーがあって……という怒涛のスケジュールでした。

――井上さんのご経歴を踏まえると、モバイルゲームの展開にチャレンジされるという難しさもあったのではと思います。

そうですね。もともとPC版に携わる想定でしたから、モバイルに関しては何もわからない状態でした。なので、やってみてどうなるか検証しながら、手探りで進めていくことが多かったですね。

本来であれば、もっと早い段階からPC版のコミュニティ活性化にも取り組みたかったのですが、なかなか着手できずにいました。その頃はメンバーも数人しかいなかったですし、この会社は決断が早くてスタートまでが短いので、とにかくすぐ対応しなければという状況でした。

モバイル版で『PUBG』の認知度アップ、双方のユーザーを繋いでいく

――eスポーツシーンを意識したタイトルで、PC版に続いてモバイル版がリリースされるというのは、これまであまり他にないケースだったと思います。『PUBG MOBILE』のリリースにあたって、どのような狙いがありましたか?

モバイル版のリリースに関しては、かなり急ピッチで進んだ話だったので、それほどしっかりと戦略立ててスタートできたわけではなかったというのが本音です。

ただ、グローバルにおいて『PUBG』はとても認知度が高く、例えば『PUBG』のTシャツを着ているだけで、空港やホテルのスタッフに話しかけられるくらいのブランドになっています。日本はそうではないので、まずはモバイル版を出すことによって、『PUBG』そのものを知ってもらい、ブランディングしていくことが最も重要と考えていました。

日本はPCゲームの市場が小さいですが、モバイルであればPCに比べてゼロが1つか2つ違うくらい市場が大きいだろうと。とはいえ、実際にどれくらいの事前登録が集まるかは、まったく想像がついておらず、当初は50万人超えればいいかなと話していたんです。結果的には130万人を突破して、非常に反響が良いという状況を把握してのスタートになりました。

――注目を集めた『PUBG MOBILE』のリリースから半年が経ちましたが、現状としてはいかがでしょうか?

『PUBG MOBILE』はテンセントさんと共同開発しているタイトルで、中国を含むグローバルはテンセントさんが、韓国・日本ではPUBG Corp.がパブリッシングする形となっています。ただ、共通のビルドを使っている背景などもあり、さまざまな展開に関してグローバルである程度スケジュールを合わせなければなりません。

なので、日本独自で何か大きな取り組みができるかというと、難しい状況もあるんですね。それでも、例えば日本独自のIPコラボによる新スキンなど、そういったサービス提供もしていかなければいけないと思っているので、実施に向けて調整を進めているところです。

――運用面において、グローバルタイトルだからこその難しさがあるということですね。

モバイル版のカルチャライズについては本社ともコンセンサスが取れていて、ビジネスとしても非常に注目されています。日本のモバイル市場は世界でもトップクラスなので、そこはぜひ成功させたいという思いがあります。

その上で、『PUBG』は観ているだけでも楽しめるゲームなので、そこをしっかりとアピールしていくことも重要だと考えています。なので今、PC版と同じように公式パートナーのストリーマーの皆さんと協力しながら、このゲームを広げていくための取り組みを行っているところです。

PC版で取り組んでいるeスポーツシーンにも、モバイル版のユーザーさんを送客できると考えていまして、実際にモバイル版がリリースされてから、「PUBG JAPAN SERIES」(以下、PJS)の同時視聴者数が1万人を超えるようになりました。

もちろんDMM GAMESさんの大会配信における工夫や努力もあってのことですが、モバイル版とPC版のユーザーさんを繋いでいくところが見えつつあるのかなと。そういう意味で、PC版のeスポーツシーンを盛り上げるためには、同時にモバイル版も盛り上げていかなければならないと考えています。

――モバイル版で『PUBG』に触れたユーザーが、PC版を観て楽しむだけでなく、プレイヤーとして流入することも考えていますか?

モバイル版とPC版では、明確に世代が分かれています。PC版はゲーミングPCが買える25~28歳くらいの社会人がメインの層で、30代の方も多いですね。一方のモバイル版は、もう少し若い層の大学生~25歳くらいがメインになります。

なので、モバイル版から入った人たちがPCを購入して、PC版をプレイするようになるところまでは、まだあまりいっていないのかなと思っています。今後ユーザーさんの年齢が上がっていけば、PC版もやってみようという人が出てくると思うので、そういったところでも市場を広げられるような準備もしています。

ただ、もちろんモバイル版でも十分楽しめる環境がありますから、今はその土壌をつくっていこうと。やはりモバイル版で『PUBG』の面白さを多くの人に知ってもらい、PC版はeスポーツとして観て楽しんでいただくという、まずはそこを繋げていくことかなと考えています。

PC版では、雪原マップや豊富なイベントモードで新たな楽しみを
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綾本 ゆかり

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ソーシャルゲームをつくっていた会社員時代を経て、現在はフリーライターとして活動。PUBGで観戦の楽しさを知ったことをきっかけに、eスポーツの世界へ。ゲームやプレイヤーの魅力を伝えるべく、イベントレポートやインタビューを中心に取材記事を執筆します。

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