【パワプロ・プロリーグ】選手対談Vol.2 AO(横浜DeNAベイスターズ)✕ TKD(東京ヤクルトスワローズ)

パワプロのプロ選手たちは、今年初めて顔を合わせた面々ばかりではない。これまで開催されてきた大会やオンライン上で交流を深め、仲間といえる間柄を築き上げている。

アマチュア時代にライバルやチームメイトとして競い、プロ野球で再び相まみえるような重層的なストーリーがすでにあるのだ。

シーズンも終盤に差し掛かったいま、残りの数少ない試合をより楽しんでもらうために、あえて別チームに所属する選手同士での対談の場を用意した。

単なる「球団対球団」の構図ではなく、選手たちの背景にあるドラマ性を含めて試合を観戦してほしい。

第2回は宣戦布告の印象が強く残る横浜DeNAベイスターズと東京ヤクルトスワローズから、AO選手とTKD選手にお話しいただいた。

シーズンでは両極端な成績に終わってしまった両名だが、セ・リーグのナイスピッチ率のランキングではTKD選手が2位、AO選手が4位と互いにピッチングに自信を持つプレイスタイル。

また、なんと彼らは1年前まで「選手と観客」という間柄だった。しかし今では、長い時間をともにした兄弟のような掛け合いを見せてくれる。パワプロ・プロリーグ発展の理想形が、彼らの関係性から窺えるだろう。

「選手と観客」から兄弟のような関係へ

――まず、この対談企画に参加していただいた経緯をお聞かせください。

AO この企画を知ってパッとTKDさんが浮かんだので、誘ってみたんです。そしたら彼も「声をかけるか悩んでた」と言っていて。

TKD 参加したいなと思いつつ、AOさんのほうから声かけてくれるのを期待してるのもあって。愛の賜物だね(AO選手のほうを見て)。

AO ノーコメントで。

――いきなり梯子を外しましたね(笑)。

AO いつもこんな感じなんで(笑)。心の中では感謝してますけど、そういう表現は苦手で。

TKD そこがまたかわいいんです(笑)。

AO うぜぇぇぇ。

――愛が深い……。では、そんなお二人が知り合ったきっかけをお話いただけますか。

AO 最初に顔を合わせたのは、昨年のパワプロチャンピオンシップス東京大会です。

TKD 自分はその大会に観覧者で参加していました。事前に彼のTwitterをフォローしていて、大会参加者の顔も公表されていたので声をかけさせてもらったんですが……トイレで出会ったんですよ(笑)。

AO 会場がフジテレビの22階だったんですけど、トイレがガラス張りで開放的な場所だったんです。僕は関西の人間なんでレインボーブリッジとかも初めてで、ちょうど西日が差してきれいな時間帯だったんで景色を眺めていたんです。

TKD 自分はちょっとトイレに関して神経質で、人が後ろにいたりするとダメなんですよ。なので「あいつなにずっとトイレで黄昏れてるんだよ」と思って。それでなんとか用を済ませたので、ちょっと話しかけてみようかなと思って。

――話しかけるって、文句ではないですよね(笑)。

TKD 心の中ではイライラしてましたけど(笑)。彼が大会に出るのは知っていたので、応援のために声をかけました。

――お二人はその時点で、オンラインでの対戦はあったんですか?

TKD なかったと思います。そもそもPS4を買ったのが去年の10月で、オンライン対戦を始めたのも11月くらいからだったんですね。

――東京大会の開催が11月ですから、ほとんどプレイされていない状態で観戦に行ったんですね。

TKD 実は、てぃーの(現・読売ジャイアンツ)さんに会ってみたいという思いで観戦に行ったんです。パワプロは海外留学から帰ってきて時間が空いていたときに始めたんですが、まずはプレイ動画で勉強しようと思って。最初に配信を見つけたのが、てぃーのさんだったんです。
まだてぃーのさんの配信も数人しか集まっていない時代で、コメントをしてみたら仲良くなりまして。

――その一年後にプロになっているというのは驚きです。

TKD 大会に出たいと思ったきっかけも、大会でAOさんやてぃーのさんのプレイを見たからなんです。だからAOさんは、きっかけを作ってくれた憧れの選手でもあるんです。

AO でもトイレで内心イラついてたんでしょ(笑)。

TKD そのあとの試合を見て感動に変わったっていう、いい話です(笑)。

――「選手と観客」という出会いから始まり、今こうして二人ともプロになられているというのは夢のある関係です。今後、お二人のような関係性は増えていくかもしれませんね。

AO うん、全然あると思います。

――では、お互いの人柄についてもお話しいただけますか。

AO 僕のこと、人と思ってるのかな(笑)。

TKD 愛玩動物?(笑) AOさんは年齢が下なので弟のような感じで見ていて、「かわいいなぁ」と思ってます。口は悪いんですけど、気さくで冗談だとわかるくらいの言葉なので……たまにグサっときますけど。

――AO選手も言葉ではたまに失投するんですね(笑)。

TKD でも年上に対する気遣いもきちんとできる子で、自分が大阪に遊びに行ったときもしっかりと案内してくれて。実は気配りもできる、優しい子なんです。

――AO選手が試合中にも見せないような居心地の悪い表情をしています。

AO 普段は褒めることも褒められもしないんで、恥ずかしいです。

――では、AO選手からみたTKD選手についてお話ください。

AO 僕は長男なので上がいないんですが、TKDさんには兄のように接しています。やんちゃキャラで好き放題させてもらってるんですが、悪ノリにも付き合ってくれたり、僕がやりすぎたときにはガンと言ってくれたり。社会人の先輩として相談に乗ってもらうこともあって。
こんなややこしい人間に笑顔で対応してくれて、TKDさんの懐の深さを感じています。

――友人よりも信頼感のある良い関係ですね。

TKD 今どきはそんなに珍しくないのかもしれませんが、学生時代などを一緒に過ごしているわけでもない、ゲームで知り合った人とこんなに仲良くなれたというのは初めてなんです。

――お二人のお住まいは関東と関西ですので、普段はネット上でやり取りしているんですよね?

AO めっちゃLINEしてます。

TKD 毎日してますね。

AO 一分くらいで返事がくるんですよ。だから僕もすぐに返して。

――プロ選手同士、どんな会話をされるんですか?

AO パワプロの話はあまりしないですよ。甘い物の話なんかしますね。二人とも好きなので。
TKDさんの大阪観光のときも、一番の目的がパンケーキ屋だったんですよ(笑)。しかも銀座にも同じ店があるのに、わざわざ僕と行くからって我慢したらしくて。こっちはたこ焼きとか食べさせようと思ってたのに。

カイ オレところころさんが銀座でスイーツ食べた話とかぶってるじゃん!

※なぜかずっと近くで対談を聞いていたカイ(現・広島東洋カープ)選手。

――パワプロのプロって、男二人で甘い物を食べに行かないといけないルールでもあるんですか(笑)。

AO 甘い物が好きな人は多いですね(笑)。あと「パステル」という僕らが好きなプリン屋さんがあるんですけど、嫌味ったらしく画像を送ってくるんですよ。いま関西からは撤退してしまって、僕が気軽に食べれないから。

TKD 自分は勝手にパステルさんの広報だと思っているんです(笑)。公式アカウントにもフォローされているんですよ。

――ゲームの話などはされないんですか?

AO 僕らはよくしますね。でも、パワプロの選手は「パワプロしかしない」っていう人も多いです。

TKD たまにTwitterでも話題に出すんですけど「YDK」というグループがあって、プロ選手だと僕、AOさん、カイさん、みっすん(現・オリックス・バファローズ)さん、イッキー(現・千葉ロッテマリーンズ)さん、ふが(現・中日ドラゴンズ)さんでゲームをしたり雑談したりしているんです。

AO みんなでほかのゲームをプレイするときでも、常にTKDさんは一緒ですね。

――本当に仲がいいんですね。

TKD 実はスワローズを第一希望にした理由のひとつに、AOさんと同じチームでプレイしたいって理由もあったんですよ。
チーム戦ということなので、仲が良い人と組んだほうが勝率も上がると思いましたし、言いたいことを言えるのも重要だなと思って。

AO 僕の希望球団がスワローズだったので。

――そういった意図を含んだ球団の選び方は初めて聞きました。

AO でも、僕はスワローズからの指名を受けられず、彼は希望通りにスワローズというかたちになってしまって。大げさな言い方かもしれませんが、僕のなかでは桑田さんと清原さんのドラフトみたいだなと思っているんです。

※KKドラフト:1985年、巨人入りを熱望していた清原和博氏と早稲田大学への進学を希望していた桑田真澄氏のあいだで起きた運命のドラフト。桑田真澄氏は巨人からの単独1位指名、清原和博氏は6球団競合の末に西武が交渉権を獲得。高校時代、二人は「いつか巨人で一緒に野球ができたら」と話していたという。

――AO選手は甲子園球場の近くに住んでいたとのことですが、スワローズファンというのは意外でした。

AO 父親が同郷の池山隆寛さんがいるということでスワローズファンになり、僕も物心ついたころからスワローズファンでした。スワローズは関西出身の選手が多いんですよ。古田敦也さんも兵庫出身ですし、今なら山田哲人選手や原樹理選手、川端慎吾選手なども関西出身です。
プロ野球がどんどん好きになったのも、小学校のころに青木宣親選手が大活躍をしていたのがきっかけですね。

TKD AOさんの背番号23も、青木選手と山田選手が付けていた番号なんですよね。

AO だから今年は特に、スワローズでプレイしたかったという思いがあったんです。ただ、ベイスターズも僕がスワローズファンということを知りながら指名してくださって、とてもいい環境でプレイさせてもらっています。

――Twitterでは、横浜スタジアムに招待されている姿も拝見しました。

AO 球場見学だけでなく、球団事務所へのご挨拶、岡村球団社長とお話しする機会もいただきました。そのあと、OBの鈴木尚典さんともお食事をさせていただいて。モチベーションがすごく上がりました。

AO選手の心の強さ、TKD選手の柔軟性
前のページ
1
2
3
次のページ

砂拭

プロフィールを見る

シブゲーの某編集者との癒着によりeスポーツ業界へ潜り込んだ自称ライター。スポーツ紙よりはパワプロに詳しく、ゲームメディアよりは野球に詳しい独自のポジションでeBASEBALLライターの覇権を狙う。

あわせて読みたい

KEYWORD

キーワードから関連記事を探す

RANKING

人気の記事

  • DAILY
  • WEEKLY
  • MONTHLY

GAMES

注目ゲームから探す

ドラゴンクエストライバルズ

PUBG

Shadowverse

スプラトゥーン2

League of Legends

ストリートファイターⅤ

Hearthstone

Overwatch

PICKUP POSTS

編集部のおすすめ記事

TREND KEYWORD

注目キーワードから探す

LATEST

新着記事

NEW
NEW
すべての記事を見る