「大人」に訴え続けるeスポーツ業界アナリスト 但木一真が数字にこだわる理由【前編】

但木一真。

大手コンサルティング、G’zブレインを経て今はフリーのeスポーツ業界アナリスト。総務省にeスポーツの分析報告を納めながら、2018年に発足したコミュニティ「eスポーツの会」には約6000人が参加し、2019年4月に始めたサロン「eスポーツラボ」は120人を集めた。

これほどの存在感を見せながらも、但木一真はプロゲーマーではない。プロキャスターでもない。ジャーナリストでも、ユーチューバーでもない。経歴、思想、立場、全てが不可思議。結果を伴っていながら、実態は常に変化する。

そんなeスポーツ業界における特異点とも言える男、但木一真とのインタビュー前編、後編に分けてお届けする。

こちらの前編では、そもそも但木氏は何をしてきた人物なのか、そして市場規模データを用いて業界の未来について但木一真の意見を掘り下げる。そして次回後編では、「eスポーツの会」が目指している未来や、但木一真のゲーム愛についても伺った。

但木一真(ただき・かずま)氏
ゲーム業界、eスポーツ業界のアナリストであり、「eスポーツラボ」管理人、「eスポーツの会」共同主宰者。
総務省から発表されている「eスポーツ産業における調査研究報告書」をはじめ、eスポーツをビジネス的視点から分析したレポートを複数発表している。
但木一真|Twitter(@k_tadaki)
但木一真|note
但木一真|eスポーツラボ
eスポーツの会

ゲーム、アニメ、漫画、エンタメ全般が好き

――まずは但木さんの自己紹介からお願いします。

但木 元々は監査法人でコンサルタントを務めておりまして、主にサプライチェーン系、原価計算や、サプライチェーンマネージメントの生産管理、在庫管理、スケジューリングなどを担当し、そこで製造業務に関わる仕事をずっとやっていました。

自分の趣味がゲーム、アニメや漫画と、エンタメ全般が大好きなので、そっちの業界に行きたいなという想いがあったんです。製造業務系の仕事も好きだけど、ずっとやって行くなら好きなことを、と思い立ち、エンタメ業界に転職しました。

直近ではゲームメディア事業とeスポーツ事業を行うGzブレイン(ジーズブレイン)という会社で、「BtoC」ではなく「BtoB」のビジネス向けのレポートを作ったり、発言をしたり、お客様にコンサルティングをしています。

――その中で但木さんは、分析を中心としたアナリストという立ち位置になりますよね。

但木 そうです。ざっくりお話しすると、今のエンタメ業界はどうなっているのか、そしてこれからどういう風に推移していくのかをデータを使って分析する仕事です。

エンタメ業界ってある部分、博打みたいな要素を含んでいて、いつ何がヒットするかわからないと感じているんです。昨年2018年には、映画『カメラを止めるな!』が爆発的にヒットしましたが、あれは「こういったものが流行る」とあらかじめ分かっていて作ったものではないと思いますし、流行りはある意味で偶然的に起こるものとも考えられます。

そうすると、定量的に分析したり、マーケティングをしたりしても仕方ないんじゃない?という風潮がある中で、私は常にデータを使って「実はこういったことも解明できます」とか、「マーケティングにも使えます」ということをいろんな方面に説明してます。

ゲームに集中し始めたのは2017年

――元々はPwCにもいらして、そこからスタートアップの会社立ち上げ、そしてカドカワ、Gzブレインへ移られたと伺いました。

但木 PwCという会社ではコンサルタントをやっていて、転職というかエンタメ業界に行きたいなと思いました。でも自分が本当にやりたいことが出来る会社が全く見当がつかず、行き先を迷ってる中で「あっ、じゃあ自分で会社やってみよう」と、ある種、安易な考えで立ち上げたのがスタートアップのきっかけです。

具体的にはクラウドファンディングをやりました。私が独立したのは2015年辺りなのですが、ちょうどクラウドファンディングが世の中で広がり始めた時期でした。

その中で私がやりたかったのは、クリエイターの人たちを支援するサービスです。例えば映画やアニメやゲームなど何かの作品を作りたい人たちが、支援者が集まることによって経済的にも安定して作品を作れる、やりたいことに向けて注力できるサービスを作りたかったんです。

――なるほど。時系列としてはそこからカドカワに移られたとのことですが、もう「eスポーツ」をやりたいという思いで行かれたのですか?

但木 そうでもないですね。もちろんゲームも好きなのですが、アニメも漫画も映画も全部好きなので、特にゲームのことだけをやろうという感じではなかったんです。カドカワに入ってから、ゲームに集中してきた形です。

――そうなんですね。カドカワの中では、ゲームを集中的にやりたいという思いは割とあったのでしょうか?

但木 これも偶然が重なりまして、そもそも入ったときはカドカワグループホールディングスの中の事業本部にいたんです。大きな枠組みでいうとゲームをやるところですね。ただ、カドカワは出版や映画でなどあらゆる事業が展開されているので、当時はそれを全部マーケティングできるように、あらゆる所に手を伸ばしていました。

ゲームを集中的にやるようになったのは、2017年に所属していた事業本部が株式会社Gzブレインという名前で子会社したところからです。Gzブレインの「G」はGame(ゲーム)のGでもあるくらい、ゲームに力を注いでいる会社なんです。

まるっと子会社化し、もうカドカワではなくなってしまったので、Gzブレインにいる限りはゲームに集中するしかないなと思うこともあったのですが、そういう状況に応じて自分の得意分野を変えて、みたいな気持ちではあります。

なぜゲームではなく「eスポーツ」なのか?
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みどりむしタマコ

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映画をこよなく愛するひきこもりライター。オンラインゲームの時代に乗り遅れてしまったが、じわじわとオンラインの波に乗っては胸を躍らせている。新参者の視点から見る、eスポーツの世界のおもしろい発見をお届けします。

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