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【LJL】全員日本人の新チームAXIZは何故勝利できたのか?衝撃の展開となった試合をレポート

最後に見せた奇跡的なフォーメーション

『LoL』というゲームには、140体以上のチャンピオンから、5人のプレイヤーが1体ずつチャンピオンを選ぶ「ドラフト」と呼ばれる段階があります。(厳密には、5体のチャンピオンを使用禁止したり、チャンピオンを選ぶ順が両チームで前後するなど、もっと複雑です。)

そのドラフトにおいて、AXIZは「ルブラン」「シン・ジャオ」を中心とした序盤に強い構成を作り、一方のUSGは「ゾーイ」「カイ=サ」と後半にスケールできるチャンピオンをピック。序盤に仕掛けたいAXIZと、後半で覆したいUSGという構成に別れたと言えるでしょう。

そして試合開始。序盤はAXIZのジャングラー、iSeNN選手の “シン・ジャオ” が何度もガンク(奇襲)に成功し、USGが相手を1人倒す間にAXIZはUSG側の選手を3回倒しました。序盤に攻めたいという、AXIZのドラフトの狙いは成功したと言えるでしょう。

ですが、USGの徹底した守りによって前線が拮抗。更に、25分経過したその時、apaMen選手が使う大剣を振るう魔神 “エイトロックス” がAXIZの後衛陣を急襲します。この戦いで、AXIZは一方的に2人倒されてしまい、序盤に勝負を仕掛ける構成だったAXIZは、一転して不利を背負ってしまいます。

「やはりこのまま負けてしまうのではないか」という不安が観戦する視聴者の間にも生まれますが、AXIZも簡単には負けません。

特にDay1選手の使うブーメラン使い “シヴィア” によるカイティング(※凧揚げのように、射程ギリギリの距離を取りつつ攻撃すること)が素晴らしく、相手の攻めを見事にいなし続けます。このプレイには、プロとして第一線を離れていたと思えない、Day1選手の強い闘志を感じさせられたと思います。

大暴れするapaMenのエイトロックス

しかし、試合が長引くほど有利になるのは明らかにUSG側です。とりわけ、Dasher選手が使う “ゾーイ” は、後半において長い射程と高いダメージから大きな驚異となります。更にKeymaker選手が使うヴォイドの狩人 “カイ=サ” も、後半になるほどスキルが強化されていくチャンピオンです。

AXIZも何とか粘りますが、Dasher選手のゾーイによる長射程の狙撃を受けて、AXIZの面々はジリジリと前線を下げていきます。

そんな中、前線から離れた辺境のトップレーンで、1人 “ミニオン” と呼ばれる兵士たちをこっそり敵陣に押し込むプレイヤーがいました。

去年USGのプレイヤーとして闘い続け、今年からはAXIZでチームの中心として活躍するGariaru選手の奇術師ルブランです。

ルブランは高い機動力と単体の相手に対して大きなダメージを出せることから、アサシンに分類されるチャンピオンです。本来、序盤から中盤の1対1で大きな存在感を見せても、複数人同士が衝突するようになる後半戦では活躍が難しいと考えられています。故にGariaru選手は一人、チームから離れた場所で遊軍としてUSGの面々を誘っていたのです。

そして、恐らくこのGariaru選手の判断と動きが勝負を決める遠因になったと考えられます。

というのも、Gariaru選手が使うルブランは集団戦が苦手なものの、1対1では極めて強力であり、USG側で彼を止められるチャンピオンがあまりいなかったのです。

とはいえ、USGもGariaruの行動を黙ってみているわけにはいきません。最初にTussle選手のサイボーグエージェント “カミール” がGariaru選手を止めようと動きますが、Gariaru選手は逆にTussle選手に攻撃を仕掛け、キルまで持ち込めなかったものの瀕死にして追い返します。

次に、USG側はapaMen選手のエイトロックスとカミールが合流してGariaru選手を仕留めようとしますが、Gariaru選手はルブランのトリッキーな動きでこれを回避しました。

トップ側を押すGariaru

そして、Gariaru選手に圧力をかけようと、USGのチャンピオンが3人以上トップ側に寄った瞬間、Gariaru選手を含めたAXIZの面々は反対のボット側に集合。倒せば極めて強力な効果が得られる、エルダードレイクの周辺を陣取ります。この連携をたった数秒で行ってしまうのは、AXIZがシーズンを開始してからずっと練習してきた努力の賜物と言えるでしょう。

無論USGはこれを阻止するため、ボット側に踵を返します。ですが既にこの時点で、かなりUSG側が不利だったと考えられます。

何故なら、USGがエルダードレイク周辺に設置した、視界を確保できる監視カメラのようなアイテム「ワード」が尽く破壊され、逆にAXIZ側のワードが散布されていたからです。

あのDasher選手のゾーイといえど、視界がない暗闇に潜む相手を狙撃することはできません。そこでUSGはミッドレーンの正面から攻めようとしますが、そこにはあのGariaru選手のルブランと、ThintoN選手の氷の魔術師 “リサンドラ” が、横から奇襲しようと待ち構えています。つまり、USGは3方向から包囲されていたのです。

このように、Gariaru選手とThintoN選手がUSGの横側からプレッシャーをかけ、残る2人がエルダードレイクを狩る最中、uinyan選手の処刑人 “アーゴット” は前線を押し上げ、結局お互い誰も倒されることなく、AXIZはエルダードレイクを確保しました。

エルダードレイクを倒したチームは一定時間強化され、戦闘で大きく有利になります。ますますUSG側はAXIZに勝負を仕掛けることが難しくなり、次はバロンナッシャーという、エルダードレイク同様倒せばチームを大幅に強化するモンスターを討伐し、AXIZは数分で2つの強化を得たわけです。

エルダードラゴンに触れた時点で、USGは3方向から包囲されていました

その2種類の強化を受けながら、AXIZはUSGに反撃を許すことなく敵陣へ突入。そのままAXIZはネクサスを破壊し勝利しました。

会場中から喝采が起こり、AXIZの選手たちは抱き合いながら喜びを分かち合いました。

2019年のLJLは一味違う

それにしても、一方的な連敗を続けたAXIZが、強豪USGにさえ勝利する程に成長するとは、何割のファンが予想したでしょうか。この苦戦を何とか切り抜けたAXIZの勝利には、多くの観客が胸打たれたと思います。

今回はGariaru選手の動きに注目しましたが、AXIZの全員が見事なプレイを成し遂げたからこそ得た勝利であることに違いありません。

ThintoN選手のリサンドラという奇策、iSeNN選手のアグレッシブな姿勢、uinyan選手のテレポートのカバー、Day1選手の不屈の精神。そして何より、そうした5人の息の合った連携こそが、あのエルダードレイク争奪戦に現れていたように思えます。

無論、USGも素晴らしい健闘ぶりでした。新加入のDasherは言うまでもなく、Keymaker選手も著しい成長を見せている選手であり、長らくUSGを支えてきたapaMen選手、Tussle選手、Enty選手のパフォーマンスも更に高まっています。

特に試合中盤、一度AXIZが掴んだ有利を自分たちへ引き込んだ、apaMen選手のエイトロックスの暴れぶりや、懸命にゾーイやカイ=サといった火力担当を守ろうとするEnty選手のタム・ケンチの奮闘ぶりなど、USG側の見せ場もたくさんあり、両チームともに全く気の抜けない名試合だったと思います。

この試合に限らず、新たに始まったLJLは波乱の連続です。

Crest Gaming Act、Burning Core、V3 esports、Unsold Stuff Gaming、いずれも新たな選手の加入とチームとしての経験により去年から大きく成長しており、Sengoku Gaming、Rascal Jester、AXIZら新しいチームも若い才能を取り込みながら上位陣に食いつかんばかりの勢いがあります。そして何より、昨年王者DetonatioN Focus MeもRamuneやGaengの加入によって戦略の幅が増え、LJLというリーグ全体のレベルが大きく向上したと言えるでしょう。

今度は、どのような激戦が観れるのでしょうか。

次回のLJLの試合は2月9日(土)を予定。興味ある方は、ヨシモト∞ホールで生観戦ができるので、ぜひチケットを購入のうえ応援に行ってみるのもオススメです。現地ならではの熱気や気迫がたまりませんよ!

 

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