DMM GAMESが主催する『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』(以下、PUBG)の日本公式リーグ「PUBG JAPAN SERIES」(以下、PJS)では、現在Season2が開催。
2018年2月のαリーグから始まった本大会は、シーズンを重ねるごとに視聴者数も増え、さらなる盛り上がりを見せています。そんなファンを魅了する大会をつくるのは、表舞台に立つ選手や出演者だけでなく、裏側で支えるスタッフの力もあってこそ。
PJSの制作に携わっているのは、数々のeスポーツイベントで運営や配信を手がける株式会社RIZeST。今回は、RIZeSTのディレクター大津勇人さんに、PJSの運営や配信を支える舞台裏の仕事についてお話をうかがいました!
――まずは、ディレクターとはどのような役割の仕事なのか教えてください。
大会の運営や配信において必要なあらゆることを、取りまとめる役割と考えていただくのがわかりやすいかと思います。
PJSで言えば、選手がプレイする場所を含めた会場の環境づくりや、大会配信をどのようにつくっていくかなど、さまざまなことに対して人や予算のかけ方を考えてスケジュールを組んでいきます。
その上で、大会運営や配信などそれぞれを担当するメンバーに、いつまでに何人でどのような形に仕上げて欲しいかを連携し、大会実施後には結果をまとめて主催のDMM GAMESさんに報告しています。
――大会の本番中には、どのような仕事をされているのでしょうか?
大会配信のディレクションを行っています。言葉通り、総合的な演出に関する指揮ですね。
例えば、試合中であればゲーム内の映像に、選手のスタッツや生存状況などの情報を載せたり、プレイ中の選手の表情を映したりなど、いろいろな指示を出しています。
――PJSは試合中の演出がどんどん豊富になっていますよね。試合がリアルタイムで進行する中で、どのように連携を取っているのでしょうか?
ゲーム内の映像を写すオブザーバールームや、選手たちの姿を写す会場内のカメラマンなど、それぞれのエリアごとにやり取りしているインカムがあるのですが、僕はそれをすべて聞いています。
その上でマップを見て、「次はここに切り替わるな」と判断したら、会場内のカメラマンに「このチームを映せるように移動しておいて」と待機してもらったり。カメラが端から端まで移動するのに30秒かかるんですが、30秒あればワンシーン終わってしまうので、先の展開を予想して指示しています。
重要なタイミングを逃さないように、ディレクションしながら自分でスイッチャー(映像の切り替え役)をやることもあります。かなりの情報量ですが、慣れると大事なところはわかるようになりますね。
――それをやりこなせるのは、やはり場数の為せる技といったところでしょうか。
おそらく僕がPJSオブザーバーの癖を1番知っているんじゃないかと思います。そろそろ俯瞰視点に切り替えたいだろうなとか、マップを映したいタイミングだろうなとか。そういった考え方のパターンは、かなり把握していますね。
――現在のPJSでは、どのような役割のスタッフが何人ずつ配置されていますか?
運営統括が2人、運営スタッフに10人ほどいます。配信まわりの体制は、配信管理に1人、コメント欄の担当が1~2人、メイン配信のスイッチャーが1人、ゲーム内カメラを担当するオブザーバーが9人、音響に2人ほどです。
――αリーグから始まった当初のPJSと比べると、運営も配信もかなり進化してきたと思います。ブラッシュアップするために、どのようなことを意識されてきたのでしょうか?
αリーグやβリーグでは、DMM GAMESさんと共にゲーム内の映像をどう映すかという試行錯誤をしてきました。βリーグでそれが形になってきたので、次は選手の姿を映したり、視聴者が欲しい情報を出したりしていこうという方針になりました。
Season1は”選手を見せていく”ことを目標としていたんですが、Season2でフォーカスしているのは、そこからさらに”選手に感情移入させる”こと。ただPJSを観てもらうだけでなく、「この選手が好き」「このチームを応援したい」という気持ちで観戦を楽しむ人をもっと増やせるように工夫していきたいと思っています。
――『PUBG』はバトルロイヤルゲームという性質上、チームや選手の数も多く、見せ方が難しい部分も多かったのではと思います。
いろいろなことを試しては失敗を繰り返して。オーブザーバーチームのメンバーと何度も配信を見直しながら、改善のための話し合いを重ねてきました。
PJSの現場は、『PUBG』が好きな人がすごく集まっているんですよ。実際には、ゲームに詳しくなくてもできる仕事もあるんですが、そのような役割のスタッフたちもPCやモバイルで『PUBG』をプレイしています。
なので、スタッフからの意見が出しやすい環境を整えて、「もっとこうした方が良くなるのでは」という声が上がったら、それをチャレンジできるような現場づくりを心掛けました。
――現地で取材させて頂いていても、携わっている皆さんが本当にPJSのことが大好きなんだなという空気を感じます。
僕自身もディレクターとして携わっている側ではあるんですが、PJSというコンテンツがすごく好きで、いちファンとしてよく配信を見返しています。
DMM GAMESの方々も同じスタンスなので、自分たちの好きなものに対して意見をぶつけあって、良いものを一緒につくっていける関係ができているなと思います。そうしていく中で、だんだん”PJSらしさ”が出来上がってきたのかなと。
PJSって運営のコメントも柔らかいですよね。Twitterでもオブザーバーを紹介してみたり、出演者にリプライを送ってみたり。そういった面も、PJSならではの面白さになっていると思います。
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