PAGE: 2 / 3

【ポッ拳】戦う運営者――世界屈指のスイクン使い「エルム」にインタビューをしかけてきた!

『ポッ拳』のプレイヤー、オーガナイザーとしての活躍について

――エルムさんが海外の大会に出場されるモチベーションや理由についてお聞かせ願いますか。『ポッ拳』部門の地域予選は優勝や準優勝をしても交通費や滞在費を超える賞金がもらえるとは限らないので。

最初のほうでも言ったのですが、大会があるゲームなら大会で結果が残せるように頑張りたい。そういう遊び方をゲームで行ってきました。『ポッ拳DX』で言うと毎年8月に行われる「WCS」という大会がありまして、そこで勝つために頑張っています。

そのための予選として海外大会があるので参加をしています。大会で勝つことも楽しいので、それが『ポッ拳』を続けていけるモチベーションになっています。

なので、お金がかかる点は気にしていないです。もらえるならうれしいですけどね(笑)。

――ポケモンのゲームは公式大会が充実してますからね。そういう点でもモチベーションが維持しやすいのかなって思いました。

海外大会は演出もよくて、会場の熱気がすごいんです。そういうところもいいですよね。

――エルムさんは大会の主催もされていますよね。それこそ、120人規模のダブルイリミネーションの大会もされています。その理由やモチベーションを教えていただきたいです。

後ろ向きな理由になってしまうのですが、このままだと日本の『ポッ拳』コミュニティが衰退してしまうという危機感があるので大会を主催しています。

――その危機感の理由は何かありますか。

発売から時間が経ち、メーカー側の今後の展開が見えないこと。そして、公式大会の開催数が年2~3回程度と少ないため、コミュニティ全体の熱が少しずつ冷めていっているのを感じています。

こういうのは下り坂に入ってしまってから行動しても遅いと考えています。下がりかけたものを持ち直すエネルギーってピークを維持するよりも余計に力が必要なんです。しかも、盛り下がり始めてから行動しても熱気が戻ってくるかもわからない。 だったら、早い段階から自分で大会を主催して、プレイヤーが『ポッ拳』を続ける理由の一つになるようにしていく方が『ポッ拳』コミュニティが衰退しなくて済むと思って行動しています。

――コミュニティの熱意やプレイヤーのモチベーションの高さは大事ですからね。

『ポッ拳』コミュニティ全体のモチベーションを上げてプレイヤーが頑張れる環境ができていると、他のゲームコミュニティの人達が『ポッ拳』を見てくれる。もしくはプレイヤーの輪に入ってくれる。そういう形で『ポッ拳』コミュニティを育てていきたいと思っています。

現状ではメーカーさんも人員やお金の問題で大会を増やすのは難しいと思いますし、メーカーさんでフォローできないところはこちらで補いたいと思って大会を主催しています。

――エルムさんが『ポッ拳』の大会を開くときに意識していることはありますか?

大会や対戦会を開くときに「自分がプレイヤーであること」を生かして運営を行うようにしています。

初期の公式大会は1先のシングルイリミネーション形式が多かったんです。それだと、対戦中に流れを取れられると、それだけで勝敗が決まってしまう。そうするとプレイヤーの頑張りが大会の結果に結びつきにくい。

恐らく他のプレイヤーも同じようなことを思っていて、それでも公式大会だから仕方がないという感じだったと思うんです。

その流れを変えたいなと。海外では「WCS」も含めて当時から2試合先取のダブルイリミネーション形式が多く行われていて、その形式を絶対に取り入れようと決めました。他にもプレイヤーが頑張る価値を見出せるように大会を設計するようにしています。

――頑張ったのに流れの良し悪しなどですぐ終わってしまったら、そのゲームのモチベーションが維持できないですよね。

選手の頑張りが正当に評価されないとモチベーションは続かないと考えています。

――カントートーナメント(※)では公式大会よりも早くダブルイリミネーション形式と2本先取を取り入れている点でも、エルムさんの「自分がプレイヤーであること」を生かした大会運営という部分が生きていると感じます。

※カントートーナメント:エルム氏が主催するポッ拳のコミュニティ大会

今の御時世、数多くのエンターテインメントがみんなの可処分時間を奪い合っていますから(笑)。選手の頑張りが認められず、モチベーションが維持できないと他のゲームや趣味に移行する人がでてきちゃいますよね。

(コミュニティをリードする人間として)僕は大会は継続開催しないとあまり意味がないと思っています。2018年に僕たちが主催した大会には最大で120人以上の参加者集まりました。去年は多くの人の協力を得ながら何度もイベントを開催できて、スポンサーがついて、以前と比べると大会運営に成功したなと思えるところもあります。

それでも「去年は盛り上がったよね」「あの時楽しかったよね」で終わってしまうとあまり意味がない。継続して大会を運営して、盛り上がりが持続して、新規の人に入ってもらって、ポッ拳コミュニティが発展する。そういう良い循環を作らないと、意味がないんです。

最終的には盛り上がった中で僕が勝ちたいというのがありますけどね(笑)。

――大会で勝つならコミュニティが盛り上がった状態で勝ちたいですよね。それは他のプレイヤーも同じ考えだと思います。

身内で集まって盛り上がるだけでは終わりたくないと思っています。井戸の中だけで盛り上がるのではなく、コミュニティを大海にしたい。

顔見知りだけで集まってやるのも一つの楽しみ方だとは思いますが、『ポッ拳』はまだまだコミュニティを発展させる余地があると感じています。だから行動できています。

エルム氏にとってのWCS

――「WCS」へ参加しての思い出や思い入れを教えてください。

最初に「WCS」に参加したのは2015年でした。2015年はボストンで行われて、その当時はゲーム部門で参加しました。当時仲の良かった友人と2人で自費参加です。その年の結果は予選を上がれなかったんですけども、会場へ行って自分のポケモンの大会の常識が覆りました。

会場はイベントホールのようなところでしたが、日本の大会と違って照明が暗かったりカラフルになったり、ステージ周りの造作物がすごく凝ったデザインだったり、会場の熱もすごくて参加者も声を上げるし、対戦モニターで動きがあれば会場全体が熱狂するし、ゲームでこんなに熱い場所ってあるんだとカルチャーショックを受けました。

格闘ゲームだとEvolution(※)とかありますけど『ポケモン』でもゲームで盛り上がる世界があるんだと驚きました。

Evolution Championship Series(EVO):アメリカのラスベガスで行われる格闘ゲームの大型大会のこと。年に1回世界中から数万人のプレイヤーやファンが集まる。

それまで僕の見てきたゲーム大会とは全く別物でした。負けたのは悔しいけど、また来たいと強く思いました。絶対に来たいと。それからは毎年「WCS」へ行けるように努力を重ねました。

2016年はゲーム部門で国内でベスト8になり「WCS」へ、2017年以降は『ポッ拳』部門で毎年「WCS」へ出場しています。

――毎年行きたいって思うのは簡単だけど実際に行ける人ってほとんどいないですからね。そこがエルムさんのすごいところです。

そこ(「WCS」)が今の僕の一番のモチベーションになっていますね。「WCS」へ行って勝ちたいというのは強く思っています。

2015年に初めて「WCS」へ行ったとき、会場もすごいんですけど、「WCS」ってジュニア、シニア、マスターと年齢別で3つのカテゴリーがあるんです。ゲーム部門と一緒にカードゲーム部門もあって、多くの人が来るんですよ。

世界30か国くらいから何千人規模で同じ会場に詰め掛けます。大会期間って3日間なんですけど、その期間中は会場の中も外もポケモン好きな人しかいないみたいな空間なんです。その環境っていいなって思ったんですよね。

――会場内だけじゃなくて会場の周りまで好きな人が広がっているのはいいですよね。

ポケモングッズを付けている人もいるし、公式大会の会場限定Tシャツや帽子なんかもあってそれを着ていたり。

――星野さん(※)が会場の外を歩いていると、海外の『ポッ拳』プレイヤーから声をかけられてびっくりしたって話もありますからね。本当にポケモン好きが集まっているんだなって感じます。

※星野 正昭(ほしの まさあき):『ポッ拳』シリーズのプロデューサー。大のポケモン好きであり、ゲーム部門やカードゲーム部門の対戦の知識も深い。

会場近くにあるホテルの1階へ行くと、そこかしこで『ポケモン』をプレイしている人がいます。毎年そうなんですよ。あの雰囲気はとにかくいいなの一言です。こんないい場所あるんだっていう。

――日本ではそうはならないですよね。海外ならではって感じがします。

言語は通じなくても確実に同じものが好きなんだという人が集まっている環境があるのはうれしいですよね。

会社員としての両立、プレイヤーとしての作戦、そしてエルム氏のこれから
前のページ
1
2
3
次のページ

ぶれどん

プロフィールを見る

任天堂系のゲームが好きなのですが、金欠で買えず見るだけの人(頑張って貯めます)。  格ゲーのイベントでスタッフをやってることが多いです。  今はクラロワに狂ってます。

あわせて読みたい

KEYWORD

キーワードから関連記事を探す

RANKING

人気の記事

  • DAILY
  • WEEKLY
  • MONTHLY

GAMES

注目ゲームから探す

ドラゴンクエストライバルズ

PUBG

Shadowverse

スプラトゥーン2

League of Legends

ストリートファイターⅤ

Hearthstone

Overwatch

PICKUP POSTS

編集部のおすすめ記事

TREND KEYWORD

注目キーワードから探す

LATEST

新着記事

NEW
NEW
NEW
すべての記事を見る