強さでしか世間は認めない!eスポーツインフルエンサー「けーちん」さん単独インタビュー

読者モデル出身でありながらも、カードゲーム女子としてのも業界を盛り上げている、けーちん(@k_kechin)さん。
シャドウバースではテレビ番組を含めたメディア出演、マジック:ザ・ギャザリング(以下:MTG)では晴れる屋看板娘として活動。

競技イベントへの参加だけでなく、彼女自身のネーミングイベントを主催、動画出演、生配信など活動の場は多岐に渡る。
eスポーツおよびサブカルチャー全体のインフルエンサーとして活躍するけーちんさんに、活動するに至った経緯と現状の想いを包み隠さず話して頂いた。

なぜ読者モデルからゲームの世界へ?

――読者モデルからゲームの業界に来られた経緯をお聞きしたいです。
どのようなことがきっかけインフルエンサー活動を開始するに至ったのでしょうか?

芸能活動を通して知り合った方から、後にお声掛けいただいて活動をスタートさせました。元々カードゲームが大好きで、自身としても活動の転換期でしたので、快くお返事させて頂きました。

――偶然の出会いから活動をスタートされたのですね。幼少期からゲームをよく遊んでこられたのでしょうか?

私、子供の頃はゲームを禁止されてたんです。従弟が私の家に遊びに来る際にゲームを貸してもらえて遊ぶことが出来ました。
小学校4年生になった時にようやく、おばあちゃんがゲームボーイカラーとカードヒーローを買ってくれたんです。中古でしたので合計500円くらい。とても嬉しかったです。

――それがカードゲームとの最初の出会いだったんですね。当時、周囲の人たちは何をあそんでましたか?

周りはゲームボーイアドバンスやゲームボーイSPです。カードヒーローはその名のとおりカードゲーム。私はマジックに出会うべくして出会ったんだなと思ってます。私が好きだったカードは《サンダー》(※1)、マジックにおける《稲妻》(※2)です。

※1 サンダー:カードヒーローのMAGICカード「1体を3パワーで攻撃する」効果を持つ
※2 稲妻:MTGのインスタントカード「対象に3点ダメージを与える」効果を持つ

小学生のころは同級生の男の子に遊戯王カードもらってプレイしたり、遊戯と海馬のクリスマスボックスを買ってもらって遊んでいました。ガッシュベルのカードが流行っていたころはお小遣いを使ってプレイしていました。

ただ、中学生になったらオシャレに目覚めてしまい、しばらくはカードゲームをやらなくなった時期がありました。

――誰にでも訪れる、一時的にサブカルチャーから離れるタイミングですね。

はい。ただ、その時期からお小遣いが増えていて自分でもゲームが買えるようになりました。「スタフィー」とか「ポケモン」を初代から全部集めてプレイする程、ゲームにハマりました。抑制されていた分、欲求が爆発しましたね。ただ一方では、オシャレも好きなのでギャル系のライフスタイルを両立する時期が続いていました。

――相反する趣味を併せ持つと、関わる人も全く異なるので大変な苦労があったかと思います。

そうですね。将来の夢がタレントで趣味がゲームでした。あと3歳からピアノやってたのですが、その頃から芸能界に入りたいと思っていました。

芸能界入りに関しては両親に反対されたので、高校生になってから自分で読者モデルのオーディションを受け始めました。読者モデルを目指した結果、両親の許可が無いと事務所に入れない事が分かり一旦は道が途絶えました。そんな状況でも出来る事を模索した結果、アメブロを始めてみて高校2年生の頃は読者が2000人に。そうすると、イベント等に呼んでもらえるようになり、色々な活動をさせてもらえるようになりました。

ただ、やがては時代の変化で、ゲーム系YouTuberやゲーム実況者が仕事として認識されるようになってきて。「え!どうしてみんな私の好きなゲームで仕事できてるんだろ!?」と考えるようになりました。

丁度その頃から年齢によるキャリアの変化も徐々に考えるようになり、自分がやりたいことをできる世の中になってきたのであれば、挑戦したいと思うようになりました。そこからゲーム系の仕事をやりたいって発信し続けたら、縁が繋がって現在の活動に至りました。

出来ることとやりたいことにズレがあった

――モデルとして活動されていた時期も、本質的に好きなのはゲームという状態だったんですね。

そうですね、モデル友達とはうまくやれているけど、実際のところ中身はオタクだったので家に籠ってゲームをやるのが好きでした。現在のインフルエンサーとしての活動を通して、ゲームが好きっていうことをオープンにできて、ゲームの友達もできたので最高です。今まではずっとゲームするとき、独りでプレイしていたので。ゲームを仕事にして暮らしていける人が増えてきたので、いいタイミングで悩んでよかったです。

――活動の幅がかなり広がっているのでモデル業からスタートされていることも強みになっているように思えます。芸能界のノウハウがあるとイベント主催や経営にも活かせそうです。

そうですね。モデルの時に主催者側も経験しているので、演者さんに対してこういうことをしてあげたら、気持ちよく仕事してもらえるというのを理解しています。マジックの業界はまだまだその辺りが弱くて、演者が演者としての対応をされていないのが課題です。

――今後、ゲームのイベント業界が商業的な方向に進むと、けーちんさんのような芸能界出身の方の価値は高くなりそうです。

ケータリングや駅での待ち合わせなど一切なかった。私がこの姿勢じゃいけないんだって思いました。私がやるときはそういうのも言えるようになっておきたいとは思いました。

――けーちんさんみたいなキャリアのロールモデルがあると、他のゲーム関係で仕事したいと思っている人にも励みになる気がします。
まずはゲーム以外のことをやってからゲームに戻ってくるのもアリ、というロードマップが存在しているのは心強いです。

それはうれしいです。タレントからスタートしてゲームで働いている人も身の回りにたくさんいるので。また、こういうことの価値は自分自身だと気付き辛いのでインタビューされていて、確かにこれってすごい事かもって思っちゃいました。

制約が多い中、どう貢献するか

――僕自身、様々な方にインタビューをさせて頂く中、ゲーム業界の盛り上がりを支えているのはカジュアル層であると考えるようになりました。けーちんさんは競技としてもカードゲームをされていますが、カジュアルコミュニティでの盛り上がりには、より貢献されている方という印象です。

ありがとうございます!最近は私だけではなく、へるかいとちゃん(@marin_hare)や朔間うららちゃん(@h3d_urara)みたいなゲームが好きな女の子たちが一緒に盛り上げてくれてるので嬉しいです。
私はタレントとしても活動させて頂いているので、交流の縛りがあります。
晴れる屋とは個人事業主としてのお付き合いになるので、お客さんだけでなくスタッフさんも含めて連絡先の交換ができないのがその1つ。
だから私のような制約が強くなくて、もっと気軽にイベントを盛り上げてくれる方が増えてくれてありがたいです。

――具体的にどのような事が難しいのでしょうか?

女性のみの交流のグループチャットに入ることができません。また、大会終わりに皆さんとご飯に行くことも難しいです。それはお客さんとの直接交流、万が一トラブルが起きた場合に責任を取るのは自分自身になるので、最大限トラブルが起きない状況にしています。厳密にこれがダメってことじゃないですが、私の中で徹底する部分があります。
私自身はタレントとして活動していることを誇りに思っています。カードゲーム業界では直接交流が大丈夫だったとしても、それ以外で活動している部分では問題になってしまうことなので、その辺の分別は気をつけています。

へるかいとちゃんは店舗のスタッフさんなので幅広く交流してくれてますし、女性の交流会もイベントでやってくれているので心強いです。
私がイベントを企画すると開催までどうしてもリードタイムが発生してしまう。クリスマスの時もイベントを主催したのですが、2回目がなかなかできない。それが違いなのかなと考えています。

――タレントとしてのインフルエンサーと、スタッフとしてイベント主催、見てる側からすると違いは無いので、その点も混乱する要因にはなりそうです。

そうですよね。私自身、新規ユーザを増やしたり、既存ユーザにより楽しく遊んで貰うことに貢献したいと考えています。もっと気軽にイベント開催に意見を出していけるように環境作りも含めて努めています。

カジュアルシーンの盛り上げ方

――カジュアルシーンを盛り上げる上での、企画はどのようなもの考えていますか?

所持しているカードだけでデッキを組めるコラムやアイデア箱があってもいいかもしれません。短期的に考えるとパックやカードがたくさん売れる方が良いのですが、初心者が長く続けてくれることも価値だと思うんですよね。

恥ずかしながら最近気づいたことなのですが、初心者の方には、ドラフトやブースターブリッツなどを遊びつつ、長い時間をかけながら自分のデッキを強くしていく方もいます。

シングル販売でカードを購入して、短期間でデッキの完成形を作るのが当たり前だと思っていたので驚きでした。
なので、初心者向けのイベントにおいて、スタンダードを始めとした構築戦の講習会をするのってちょっとズレてるなって思うようになりました。

――そのお話は非常に面白くて、僕の感覚は全く逆でした。昔は日本内でのパックの流通量が少なく、目当てのカードを手軽に入手出来る環境がありませんでした。少しずつパックを買い集めてデッキを強化していく遊び方が主でした。昔の遊び方を原点回帰して提案するのがいいかもしれません。

なるほど!まずはリサーチが必要なのかなと考えています。カードショップに来店される方々は競技思考の方や大会参加を目的とした方が多く、新規で始めた方では無いため、リサーチ対象としては少し違う気がしています。これはマジックフェスト(※)といったお祭りの場でようやく気付けたことなので、気付いている方も多くないのかなと思いました。

※マジックフェスト:競技だけでなくカジュアルイベントも併催される、誰でも参加できる最大規模のイベント

――競技ゲームの業界では、プロプレイヤーやストリーマーには注目が当たる中、インフルエンサーの方々に対してはポジティブな目が向けられ辛いこともあります。

私も最初はマジックのことを知らない女性が仕事をもらってやってる、というイメージを持たれている事が多かった。私自身は以前からゲームの世界でも仕事したいと思ってたから、自分の中では”仕事”であることは勿論ですが、”好き”だからやってるつもりです。

認めてもらうには上手くなるしかない

――最近は実績や活動も増えてきたので、プレイヤーの方々にもその気持ちが伝わり始めている印象ですが、如何でしょうか?

私のことを知ってから長い期間経っている方には伝わってくれてるんだなと思うことはあります。SNSで評価を拝見したり、直接交流で伝えてくれる方もいて、とてもモチベーション繋がっています。一方では、あまりこの企画に興味を持たれていない方には伝わっていない事もありますね。

だからこそ、上手くなって見返してやりたい。性格は負けず嫌いなので!

――見返す方法にはどのようなものがあるとお考えでしょうか?

上手くなって明確な結果を出すこと、あとゲームそのものに対して詳しくなることです。看板娘の仕事って、笑顔振りまいてお客さんと喋ってるだけでしょって思われるんです。みんなが好きなゲームのことが私も好きなんだよって示したい。「コイツ仕事でやってるんだろうけど、なかなかやるやんけ」って思わせたい!

――以前、シャドウバースのTV番組でカードゲーム女子として出演されていたのを拝見しました。
その時の知識量や技術は他の出演者と比べてずば抜けているように感じました。

ありがとうございます!強いか詳しいというのは、最もわかりやすい表現方法です。マジックやシャドウバースを始めた最初の頃は、負けることが悔しくて、1人でデッキの勝ち筋やフィニッシャーを分析したりしました。

私に限らずゲームタレントとして活動されている方々に、「負けても良い」と考えている人はいないと思います。影響力を持っている状態で、勝つとゲーム自体が世間的にも絶対に注目される。私自身も結果を出すことはマジックやシャドウバースへの大きな貢献に繋がると信じています。

複数の業界の橋渡しになることが使命

――今後どのような活動をされていく予定なのでしょうか?

アイドルグループのプロデュース等もしてきたので、その経験を活かしていきたいと考えています。カードゲームから私のことを知って下さった方からすると、全く違ったイメージで仕事をしていましたので、まだまだ出来ることはあると思います。

――影響力という観点では現在も活動の幅は多岐に渡っていて、他にもコンセプトバーでお仕事されてますよね。

はい。お客さんの年齢層も幅広くて、私を通じて何人かにはマジックに復帰してもらったりしてます。実際にカードをBOX単位で購入してから来店されるお客さんもいらっしゃったのがとても嬉しかったです。私にはマジックを広めないといけないっていう使命があるので、この出来事は心に残っています。近況の嬉しいことの1つかなくらいにしか思ってなかったのですが、お話していて気づかされました。

――本日はありがとうございました。けーちんさんがゲーム以外の業界においても、のびのびと幅広くご活躍されていくことが、マジックとシャドウバースにとっても良い方向に働くと感じました。

シャドウバースをやり始めた時も、私の強みは複数の分野に訴求できるから、それを活かそうと思って動いてたんです。それを今回、改めて気づかされました。他業界をどんどん繋げていく、それをやらないと晴れる屋が自分を使っている意味がないので。

関連リンク
けーちんさん公式SNS | Twitter | Instagram
晴れる屋 | 公式サイト

OGA(Ogawa Shota)

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職業:WEBディレクター/ブランディングコンサル。  シブゲーではMTG(マジック:ザ・ギャザリング)関連の記事を企画担当します。  MTGはプレイするのも大好き、世界大会(プロツアーホノルル2016)出場経験あり。  プレイヤー視点、メディア視点、両方の立場から情報発信します。

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