YouTubeやTwitchなどで、誰でも気軽にゲーム配信ができる時代。まだ配信をしたことがない方も、ゲーマーなら1度は「配信してみたいな」と思ったことがあるのではないでしょうか。
しかし、配信をするためには機材やソフトが必要。いったい何をどこから準備すればいいのか……。
そこで、「どんなPCを使っているの?」「配信に必要なPCのスペックは?」「登録者数を伸ばすためには?」などの配信者が知っておきたいことを、人気ストリーマーのNottinTVさん(@Nottinjpn)にお聞きました。
――まずは自己紹介をお願いします。
今はYouTubeでゲーム配信者として活動しています。以前は『Overwatch』や『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』(以下、PUBG)でプロゲーマーとして活動していました。
ゲーム配信ではFPSやTPSのゲームをプレイすることが多いですが、最近は『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』などのアクションゲームや『実況パワフルプロ野球』などのスポーツゲームもプレイしています。チャンネルでは色んなゲームをプレイしていますね。
――現在YouTubeでの活動がメインだと思いますが、イベントへの参加もされていますよね。
「東京ゲームショウ」やPCショップの店舗イベント、ゲームイベントにプレイヤーやMC、解説として出演させてもらっています。店舗イベントではPCゲームに必要なスペックやパーツを説明することもあります。
――編集ありきで動画を作る時と、配信をする時とで気を付けていることはありますか?
自分の場合は解説や攻略の動画をあげることが多いので、シーンに適した動画を撮影するように気を付けていますね。
――動画で解説をする際は台本なしのぶっつけ本番ですか?
配信でも動画でもテキストに起こすことはしません。いつもぶっつけ本番でやっています。ただ自分は滑舌が悪いほうなので、カットをしたり撮り直しをしたりすることも多いですね。
――自分でベストだと思える動画を作るために気を付けていることはありますか?
マイクの雑音や音量のバランスなど、「リスナーにとって不快ではないか?」という点を一番気を付けています。
配信を切り抜いて動画としてあげる場合もあるのですが、盛り上がったシーンでは声が大きくなってしまうなど配信中はその時のテンションで声の大きさが変わってしまうので、実は音量調整が大変です。
――動画と配信で、必要な機材やスキルに違いはありますか?
録画ソフトを使うか配信ソフトを使うかくらいの違いだけで、他はあまり変わらないですね。
録画ソフトは「ShadowPlay」を使用すればPCへの負荷を抑えられますが、配信では配信ソフトのエンコーダーを起動しなければならないので、PCに結構な負荷がかかります。以前は1台のPCで『PUBG』を配信しながら同時にプレイしていると、フレームレートが60を切ってしまうこともありました。
――配信ソフトと録画ソフトで結構違うんですね。
それから画質も違いが出ます。配信だとリアルタイムでエンコードしているのでブロックノイズが発生しやすいのですが、録画だとすごく綺麗な映像になるので、録画した動画の方が画質のクオリティは高くなりますね。
――録画よりも配信の方が手軽そうに感じるのですが、実際は要求されるPCのスペックが高いんですね。
PCゲームをプレイする場合はそうですね。PS4のゲームを配信するのであれば、PS4本体にあるストリーミング機能を使用すれば簡単ではあります。
ですが、PS4のストリーミング機能はレイアウトが決まっています。PCゲームの配信やPS4でもクオリティの高い配信を目指すのであれば、やはり高いスペックのPCが必要となりますね。
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――編集された動画と配信との違いや、動画ならではの面白みについて教えて下さい。
配信は編集を入れずに全てのシーンをリスナーさんに見せていて、編集されている動画では一番良いシーンや見応えのあるシーンを使えるというのが違いですよね。配信は編集がないので見せ場が分かりにくいのですが、動画は編集してシーンを選べばクオリティを高められるので、リスナーにとっても見やすいものになります。
配信だといつ良いシーンが訪れるか分からないじゃないですか。ボスがいれば自ずと良いシーンを作れますけど、FPSやTPSといったゲームではいつ良いシーンが訪れるか分からないので、見せ場がないまま終わってしまうこともありますね。
なので動画であれば、ゲームのプレイが苦手な人でも、企画次第で良いシーンをリスナーに見せられるという点が大きいなと思います。
――ちなみに、配信と動画ではどちらが好きですか?
どちらかと言えば、配信の方が安定しているので好きですね。
自分の配信だと、同時視聴者数が1,000人前後になることが多いのですが、動画だとどうしても再生数に振れ幅があるんです。動画はチャンネル登録をしていない人が検索して視聴してくれることも多く、伸びない時は伸びない印象です。
――YouTubeで活動を始めた頃のPCスペックを教えて下さい。
僕がYouTubeを本格的に始めたのは『PUBG』が登場した頃です。その時のPCスペックはCPUが「Core i7-6700K」、グラフィックボードは「GeForce GTX1060」、メモリは16GB、SSDは256GBのものを搭載していました。のちにスペックが足りないと思ってグラフィックボードを「GeForce GTX1080Ti 」に換装しています。
1台のPCでゲームと配信の両方をしていた頃は、 『PUBG』でもプレイヤーが多い密集地帯へ行くと画面がカクカクして大変でした。『PUBG』をプレイしながら配信するならCore i7以上は必要だと思います。
――動画の編集ソフトはなにを使用していましたか?
SONYの「MOVIE STUDIO」を使用していました。現在は「VEGAS Pro」を使用しています。配信を始めた頃は1マッチのみをカットして動画にしていましたが、当時は特に凝った編集はしていませんでしたね。
――編集をこだわり始めたきっかけはありますか。
YouTubeにアップロードされている動画は、テロップとかもすごく凝っている動画が多いじゃないですか。それを見て、自分も再生数などを考慮してきちんと編集した動画をアップロードしたいと思うようになりました。
――これまでに参考にしたチャンネルや動画、配信などはありますか。
YouTubeで活動を始めてからはテレビ番組を意識するようになりましたね。マニアックですが、テロップではどういったフォントを使用しているのかとか(笑)。自分で動画の編集を始めてからはテレビの見方が変わりました。
――現在使われているPCスペックを教えて下さい。
今は3台のPCを所有していて、うち2台をYouTubeでの活動に使用しています。
PCゲームをプレイするPCはCPUが「Core i7-8700K」で、グラフィックボードは「GeForce RTX2080」を搭載しています。配信のエンコードを担当する配信用PCはCPUが「Core i7-6700K」で、グラフィックボードは「GeForce GTX1080Ti」を搭載していて、こちらはPCを自作しました。
――配信用PCはどれくらいのスペックが必要になりますか。
配信ソフトのエンコード方式にもよって変わります。
CPUでエンコードする「x264」であれば「Core i7-8700」以上であれば高画質な配信が可能です。グラフィックボードでエンコードする「NVENC」であれば「GeForce GTX1060」くらいのスペックでも充分ですね。
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――予算は無いけど動画編集や配信をしたい、という人に対してPC選定で気を付けた方が良い点は何でしょうか。
エンコードの方式をグラフィックボードでエンコードする「NVENC」にすることですね。「x264」だとゲームと配信の両方でCPUに負荷をかけてしまうので、より良いCPUが必要になり予算が増えてしまいます。
「NVENC」は負荷を分散することでPCゲームに負荷をかけずに配信できるので、結果として少ない予算でも配信することができます。他にも、CPUは一番良いものよりも1ランク下げた製品を選択することも、費用を抑えるひとつの手ですね。
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