JeSL Interview SAMURAIの肖像 -ナチュラルズ北海道 前編-

去年11月に始まった「日本eスポーツリーグ」。このリーグ戦をきっかけに発足した6チームのプロゲーミングチームをご存じだろうか。

各々のチームは北海道、東京、名古屋、大阪、福岡の5都市のいずれかに拠点を持ち活動を行っている。

この6チームは2017年6月4日から開催される「日本eスポーツリーグ」の次節である夏季大会への出場が決まっている。

 

このチーム達がリーグに挑んでから約半年という月日が流れた。そこには様々なエピソードが埋まっていることだろう。

今回、日本eスポーツリーグとSHIBUYA GAMEがタッグを組み、北海道を拠点として活動している「ナチュラルズ北海道」のharuno監督とOverwatch部門のGizzard選手へのインタビューを実施した。

このインタビューでは、チームスポーツの楽しさと難しさ、そして北海道という地域への思いなどを伺うことができた。

 

リーダーの誕生と勝ちに行くチームへの変化

 

――最近好調のGizzardさんが所属するOverwatch部門は6人1チームですが、どのようにできあがったのかを教えてください。

haruno

2016年11月15日に1次メンバーが確定しました。それまでは、スポンサーである北海道ハイテクノロジー専門学校さんにランディングページをつくっていただいてました。その後、僕がフォームを作って、選手募集の告知をいろいろなところにお願いして掲載してもらいました。

当時Gizzardさんは他のチームで活動されていて、元々は兼業で二つのチームで活動するってGizzardさんから言われていたんですけど、当初のメンバーたちと一緒にGizzardさんにぜひ専属で来てもらいたいという話をして、了承してもらえました。

Gizzard

前からプロゲーマーに憧れていたので、元々はプロゲーミングチームを目指しているチームに所属していました。そこでナチュラルズ北海道っていう北海道でeスポーツができるチャンスがあって、そのチームからぜひとも兼業じゃなくて専属でやってほしいとハルノ監督から言われた際は、悩みましたが自分の価値を認めてもらったと思い了承しました。

haruno

ただチーム設立後はあまり良い出だしとは言えず、前シーズンの初期は全然戦績がふるわなかったんです。
ナチュラルズ北海道は、北海道のプレイヤーを中心にチームメンバーを集めていたため、上手い選手とそうではない選手が在籍していて、個々のスキルやゲームへの理解度の差が大きく、噛み合わないことがありました。そういった中でGizzardさんを中心に編成を考えたり、レートの高い人の考えをレートの低い人たちに伝えていきました。

それと常にメンバー募集は継続していて、チームに所属していないプレイヤーに直接勧誘を行っていました。レートが高い、若しくは長くゲームに時間をつぎ込める等より成長の見込みがある選手を入れ、徐々にチームの選手層を厚くしていきました。結果、数人の選手には、レギュラーメンバーからリザーブメンバーに移って頂いたり、大会の出場ではなく、スポンサーのイベント出演や配信のほうで頑張ってもらうとか、そういった方向転換をお願いしました。

Gizzard

補足させてもらうと、北海道のプレイヤーを中心にチームメンバーを集めていたため、メンバー内でポジションに偏りが発生してしまいました。今はエースアタッカーとなったNicoも、一番最初はサポートを担当していました。motakuさんも、今ではザリアというヒーローを使うプレイヤーとして有名なんですけど、元々うちのチームに入る前はずーっとアタッカーで、ザリアは全然触ってないっていう状態でした。当時、これはまあ、結果はふるわないよなぁ・・・と感じていましたね。

haruno

元々うちのチームって、特に日本で一番目指しているチームではなかったんですよ。活動時間も、週に3回程度を目安にしていました。働いてる人が休日を中心に気軽にオーバーウォッチをプレイして、eスポーツの活動をしましょうといった感じの方針でした。

なんですけど、GizzardさんやMotakuさんの様に上手いプレイヤーが集まってきてくれて、そうなったときにやっぱり、このチームは日本eスポーツリーグの枠を超えて、いろんな大会で日本上位のチームにしたいと考える様になりました。チームとしての方針を切り替えたのが年明け前ぐらい?もっと早いかもしれないですね。

Gizzard

前シーズンの終盤ぐらいなんで、10月後半から11月ぐらいですね。

心境変化で一番大きいのは、日本eスポーツリーグで戦績がふるわなかったときに、他の大会で良い成績を残せたんですよ。うちのチームでもできるんだ、強いチームになれるんだっていうのが、その大会に出ることによってわかって、そこがきっかけになったのかと思います。

haruno

あの日、日本eスポーツリーグの試合で負けた後だったよね。

Gizzard

そのときにharunoさんいなかったんですよ。焼き鳥屋に行ってて(笑)

haruno

日本eスポーツリーグで負けたのでヤケ酒呑んでました。そうしたら「チームやばいっすよ」ってGizzardさんから電話がきて。

Gizzard

その日は絶対に驚かせようと思ってharunoさんに電話して「harunoさん、実はmotakuさんがちょっとやばいんですよね」って。「え、どうしたの?どうしたの?」って言うから、「実は、大会で優勝しましたー!」みたいな。そんな感じでしたね。

 

 

――チーム仲が良さそうですね。今、harunoさんとGizzardさんは一緒に住んでいるとのことですが、どのような生活を送っていますか?

Gizzard

専門学校の講師やイベントの関係で実家から出て居候しています。harunoさんとは活動が終わった後に、チームメイトを含めて別のゲームを一緒にプレイしたりしています。なんやかんやで、みんな仲良くやってますね。

haruno

くだらない話なんですけど、最近ピッチピチのTシャツを着て筋トレしてたらめっちゃバカにされましたね。

Gizzard

motakuさんとかとゲームしていて、真面目なシーンの時に後ろが気になって見てみたらharunoさんがスクワットしてて、笑顔で「気にしなくていいよ」みたいな感じで言ってきたり(笑)

 

 

 

専業ではないプロゲーミングチームの知恵と工夫

 

――普段の練習時、監督はどのような関わり方をしていますか?

haruno

チーム初期から中期までは、録画スタッフがいなかったのとチーム内で課題が多かったためほぼ毎日入ってました。

僕もパソコンで練習を録画しながら選手の声を聞いて、雰囲気が悪いときは、ケアをしたり、選手同士でトラブルになったときは、今日は練習やめようって言ったこともありました。

僕はオーバーウォッチの戦術について、今いるメンバーの中で誰よりも理解度が低いんです。僕の力じゃどうにもならない時はでしゃばらずに話を聞いて「これは言い過ぎ」とか、コミュニケーション面での指摘に留めて、あとは外部から、選手、キャスターとして実績のあるabaraさんにコーチに来てもらって、練習内容の見直しをしてもらいました。ゲーム中のコミュニケーション法から練習方法まで全部見直してもらいました。

最近はスタッフもいるので、僕が入らなきゃいけない曜日は日曜日だけになっています。それ以外はメンバー募集やトライアルを受ける選手とのコミュニケーションの確認とかそれぐらいです。

Gizzard

harunoさんはちょうど良いぐらいに入ってくれる感じです。わかんない状態で下手に、もっとこうしたほうがいいんじゃないのっていうよりも、どちらかと言うと、選手のメンタルケアなどに力を入れてくれています。チーム内の空気が悪い時に「こういう状態だったらやる必要ないんじゃないの?」っていう風に言ってもらえて、すごい良かったと思いました。逆に、こういう作戦にしたほうがいいんじゃないのっていう言葉はharunoさんから1個も聞いたことはないです。

haruno

abaraさんのことを補足すると、チームとして結果が出なくて、解散寸前まで追い詰められた時に救ってくれた人です。練習内容はプレイヤーと僕で話し合って出した結論だったので、誰もそこに文句は言ってなかったんですけど、「マップ名称をもっと細かく設定する」や「闇雲にプレーするのではなく、こういう風に反省点を出したほうが良い」など、abaraさんが今まで得てきたノウハウを惜しみなく我々に出してくださいました。時にはお願いしていた時間を超えてナチュラルズのことを気にしてくれたり。

Gizzard

今のチーム活動は、21時から22時までは動画などを観て研究する時間にしていて、22時から24時まで練習試合を行っています。専業ではないので一日8時間の練習をすることができません。ですので3時間に圧縮しています。その具体的な指針を示してくれたのがabaraさんでした。今のチームの良い流れができあがったのは本当にabaraさんのおかげで感謝しています。

後編は日本eスポーツリーグにて公開中!→http://jesleague.jp/jesl-interview_naturals/

 

Gizzard


高校時代からeSportsを本格的に始めFPSを始め、大学時代はAlliance of Valiant Armsを意欲的にプレイ。数々の大会に出場し、上位入賞、ランキング上位経験をした他、プレイヤーのみの枠に囚われず大会を主催。eSportsを仕事にしたいという思いが強く、Overwatchの本格的なプレイを開始。チーム内では戦闘中の指揮、新たな戦術の研究を行いチームの脳となっている。
北海道ハイテクノロジー専門学校でFPSの講義を行っている。

主な戦績:
・AVA
OW以外の大会実績 AVA RST 2  17~32位 Dランカー
AVA CST2013   ベスト8
・OW
2017年
OMEN CUP              30チーム中ベスト8進出
JCGMaster2016-2017 Winter                    65チーム中ベスト8進出
2016年
F4E WEEKDAY TORNAMENT    16チーム中ベスト4進出

初めてプレイしたゲーム:
ウィロー

苦手な食べ物:
キウイ

 

haruno


StarCraft2をきっかけにeスポーツの世界を知りe-sports SQUAREのオープンスタッフとして勤務する。選手としての活動を経て実況解説、大会主催とマルチに活動。2016年11月15日に監督・マネージャーに就任。
北海道ハイテクノロジー専門学校ではMOBAと大会運営の基礎を講義を行っている。

キャスター実績:
e-sports JPNCUP/TokyoGameNight SC2部門/CSL/WCG日本予選/Vプリカトーナメント/TTe-sportsオンライントーナメント/サモナーズフェスティバル/e-sports学生選手権

運営実績:
eスポーツ甲子園/SQUARE CHARONGE/春風大会

初めてプレイしたゲーム:
ドラゴンクエストⅤ

苦手な食べ物:
Gizzardさんがたまに作るしょっぱいやつ(基本的にはおいしいです)

 

 

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http://bitcash.info/?p=4458&ref=jesl

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