台湾拠点の日本チームDeToNator.GOLDインタビュー(後編)―世界で通用するチームを目指して―

プロゲーマーの追っかけ出身である女性ライターのスイニャンがeスポーツ観戦に関するさまざまな情報やコラムを不定期でお伝えします

前編ではそれぞれの選手の特徴や性格について紹介してもらうと同時に、「Overwatch Pacific Championship 2017 Season1」に出場した感想を中心に語っていただきました。後編では、チームとしての活動や台湾生活の話まで、多岐にわたった内容でお届けします。

ズバリ、Overwatchで好きなヒーローは?

スイニャン:ところで、皆さんの好きなヒーローって何ですか。理由もあわせて聞かせてください。

 

yoshiharu:僕はザリアですね。サポート的に味方を守ることもできて、かつ大きなダメージを出すこともできるので。常になにかしらできることがあるところが気に入っています。

 

Ameken:好きなヒーローはマクリーです。理由は、何も考えずにやってもなんとかなるからです(笑)。フィジカルキャラなので、自信はあります。

 

dohteloff:僕もマクリーが好きです。ヘッドショットを決めると、すごく気持ちが良いんです。音が痛快なんですよ。「ピンピンピン」って当たったとき、すごい気持ちが良いですね。

 

SamuraiD:好きなヒーローはD.Vaです。理由は……

 

SENSEIコーチ:可愛いから!

 

SamuraiD:じゃあ、可愛いからです(笑)。タンクなのに機動力があるので、何でもできるんですよね。味方を守ったり敵を倒したり、それが楽しいです。

 

delave:好きなヒーローはふたつあるんですけど、ひとつはトレーサー。瞬間移動のスキルが使えるので機動力がすごくあって、こちらが主導権を握ってやりたいことができるので好きです。もうひとつはメイなんですけど、キャラクター性が好きなんです。彼女は中国の女の子で、凍らせて身動きがとれなくなった敵の頭に氷のつららを打ち込んで倒すっていうヒーローです。一見可愛いらしいのに恐ろしさが垣間見える、っていうのが好きですね。

 

Saih4tE:最近だとルシオが好きかなっていう感じです。最近のパッチでルシオのスキルがいろいろ変わって、移動速度が非常に早くなっていて前線に行くのが簡単になったし、攻撃もサポートなのにけっこう強くなったのでやってて楽しいです。

これぞプロ!万全のチーム体制と練習スケジュール

スイニャン:ではチームとして、練習はどのようにしているんですか。

 

SENSEIコーチ:毎日昼から練習室に来て、午後8時までは個人練習ですね。夕方ぐらいに韓国チームとのスクリムが入ることもたまにありますが、基本的にはランクを回したり大会の動画を見たりします。そして午後8時からは台湾や韓国のチームとスクリムをします。日本のチームとは今はあまりやってないですね。

 

スイニャン:練習以外で、例えば運動など何か特別にチームでやっていることはありますか

 

SENSEIコーチ:週1日休みの日があるので、そこで個別に遊びに行ったり運動しに行ったりっていうのはありますね。今は練習だけでも精一杯で疲れているので、チームとして運動のメニューを入れるのはきついと思います。

 

delave:一応宿舎にはロードバイクが置いてあるんですけど、あれは暇を持て余した人とか落ち着きのない人が漕ぐやつです(笑)。「まだ~?」とか言いながらとりあえず漕ぐ、みたいな感じになっていますね。

 

dohteloff:確かに「おしゃぶり」的な感じはあるよね、あれ(笑)。

 

スイニャン:宿舎まではどれぐらいかかるんですか。

 

SENSEIコーチ:ここからタクシーで15分ぐらいですね。普段は電車で通っていますが、練習時間が電車の時間を過ぎた場合はタクシーに乗ります。

 

スイニャン:台湾で活動しているのは、選手6名とコーチ2名だけですか。

 

dohteloff:あとは台湾人のマネージャーが1名います。

スイニャン:同じく日本から来ているチームSunSisterとの交流はありますか。

 

Saih4tE:今のところ交流はないです。会場で会ったら挨拶するぐらい。

 

SamuraiD:上の人同士は交流があるんですけど、メンバー同士はないって感じですね。

 

SENSEIコーチ:でも時間と機会があれば、ぜひ交流したいです。

 

スイニャン:ところで、台湾のファンはどうですか。

 

Saih4tE:難しい質問ですね(笑)。ちょっと話しかけてきてくれたりするぐらいで、毎回写真を撮られたりとかいうわけじゃないです。でも幸いなことにDeToNatorというチームはAVAのときから台湾で知られているチームなので良い土台があるというか、それだけで応援してくれる人もいます。

 

ちなみにその後、DeToNatorの台湾人マネージャーの誕生日会にSunSisterの選手たちが駆けつけたという写真がSunSisterのSNS上で公開されました。両チームの交流は実現したようです。

国際派メンバー多し、台湾生活はおおむね「快適」

スイニャン:確かにDeToNatorはすでに台湾に根付いているチームという印象もありますが、皆さんの台湾生活はいかがですか。

 

yoshiharu: 自分は海外旅行に慣れていてネパール、エジプト、マレーシア、カンボジア、タイ、中国などいろいろ行っているんですが、ここでは自転車を買ってけっこういろいろ回っています。台湾はほとんど日本と変わらないほど便利で、電車もバスもタクシーも問題なく快適ですね。

 

Ameken:自分は小さいころフィリピンに住んでいたんですけど、台湾に来てみて、フィリピンみたいな部分と日本みたいな部分と両方あってすごく面白いなと思いました。夜市はフィリピンみたいだなと思うんですが、そうかと思えば日本みたいにキレイなビルとかもあったりするんですよね。

 

dohteloff:良いところは、タクシーがいっぱい通っていて楽なところぐらいですかね。食べ物も正直当たり外れが多いと思います。あ、でも大通りに行くと綺麗なお姉さんが多いですね(笑)。

 

SENSEIコーチ:僕は台湾の食事が合わないので、毎日日本食や韓国料理しか食べられないのがちょっとつらいですね。それ以外の普段の生活は大丈夫です。

 

delave:自分は以前やっていたゲームのときにベトナムで1か月ほど生活していたことがあるんですけど、アジア圏って癖が強いじゃないですか。道路にも汚れがあったりとか、食事も独特の味だったりとか、うかつに出歩くとどこかへ連れて行かれそうだなとか。でも台湾はそういうのがないんですよね。建物の外観も汚れた感じなんですけど室内はすごくキレイだったりとか、食べ物も海外の癖を残しつつ日本人が食べやすい感じになっていたりとか、海外らしさはあるけれど落ち着けるって感じですね。

SamuraiD:暑いです(笑)。まだ夏でもないのに30度を超えた日もあって、長袖ばっかり持ってきてしまったので服がなくて困ってます。

 

Saih4tE:僕は寒いのがあまり好きじゃないので暑いのは良いんですけど、湿度が高いのがつらいかな。逆に室内はエアコンが18度とかに設定されていて日本よりキンキンに冷えているので、それもちょっと慣れないですね。でも住むには快適ですよ。親日ですし、コンビニに行っても日本語で会話してくれたりとかするので、日本人には住みやすいんじゃないでしょうか。

 

Sungwooコーチ:生活はほぼ問題ないですよ。食事も、すごく香りの強いもの以外は大丈夫ですね。ただ僕は日本語も中国語も勉強しようという立場なので、選手たちとタクシーに乗るときに運転手さんに日本語で話しかけて選手たちに中国語で喋ってしまったりっていうことはあります(笑)。まあでも日本語は少ししかできないので、選手たちとは英語で話すことのほうが多いんですけどね。

 

スイニャン:チーム内に中国語ができる人はどのくらいいるんですか。

 

SENSEIコーチ:中国語はだいぶ忘れてしまいましたけど、僕は昔中国に住んでいたんです。今も父が中国で事業をしていて家があるので、毎年会いに行ってはいます。小学校のときに3年ぐらい住んでいて勉強をしたんですが、韓国に帰ってからは中国語を使う環境がありませんでした。それでもう一度中国語を勉強しようかなと思っていた矢先に日本のアニメに興味を奪われて、日本語の勉強に没頭してしまったんです。なので中国語の聞き取りはけっこうできるんですけど、話すのはちょっと言葉が出るのに時間がかかる感じです。あとはマネージャーが日本語ペラペラな台湾人なので、かなり助けてもらっていますね。

焦らず、長い目で、良い結果を出していきたい

スイニャン:では最後に今後の目標と、ファンの皆さんへのメッセージをお願いします。

 

Saih4tE:DeToNatorというチームは昔からありますけど、Overwatchのメンバーは最近集まったチームなので、これからちょっとずつ実力をつけて世界で通用するチームにできたら良いなと思います。リーグとしてはもちろん優勝を目指したいですけど、いきなりは実力的に厳しいかもしれないので、段階を経て勝っていけたらなと思います。これからも頑張りますのでファンの皆さん、僕だけでなくDeToNatorのメンバー全員をよろしくお願いします!

 

delave:リーグの目標は考えず、単純に個人やチームとして練習の成果を試合で出すことを目標としてやっていきたいなと思っています。そうすれば、結果は後からついてくると思うので。今は結果はあまり出ていないし、リーグで苦戦しているのを日本のファンの皆さんも見ていて感じていると思います。それでも応援の言葉をいただくことがあって、そのおかげで頑張れるというのがあるので本当に感謝しています。これからも応援していただけると嬉しいです。

 

SENSEIコーチ:今回の台湾リーグの大会では良い成績を出すところまでたどり着くのはかなり難しいと思いますが、選手たちが頑張っているのは分かっていますし、それに対して僕とSungwooコーチも敵のチームの分析やフィードバックも含めてアドバイスをしているので、DeToNatorのファンの皆さんにはもう少しお待ちいただければと思います。必ず良い結果が出せるように頑張ります!

 

SamuraiD:みんなは難しいって言うんですけど、僕は今回のリーグ勝ちたいです。ファンの皆さんにはいつも温かい言葉をかけていただき、ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。

 

dohteloff:僕の目標は、「このチームとは戦いたくないな」って思われるような強いチームになることです。僕が相手のアナをぶっ倒しますので、ぜひ見てください!これからも頑張りますので、応援よろしくお願いします。

 

Ameken:ここまでで負けたチームに対して、今後かならずリベンジできるように頑張りたいと思います。僕はたまに配信することがあるんですけど、コメント欄で「応援してるよ」とか言ってもらえてすごく嬉しいです。ツイッターでもいつも応援していただいて、ありがとうございます。

 

yoshiharu:実はMachi Esportsのコーチが、6年前にやっていたFPSチームのメンバーのひとりなんです。今こうして違うチームで違う形で再会してちょっとライバル心もあるので、負けたくないなと思っています。そして僕はファンの人へと言うより、日本のOverwatchプレイヤーの皆さんに伝えたいことがあります。自分は5年ぐらいFPSのブランクがあってしかも漁師というまったく違う世界で過ごしていたんですけれど、ひとつのきっかけと行動力でこういう面白い世界が見えるところに参加できました。昔はプロゲーマーになりたくてもそういう土台がありませんでしたが、今はどんどんできているので、若くて可能性のある人たちにこういう行動力やちょっとした勇気を持ってもらえたらいいなと思います。

 

Sungwooコーチ:日本ではOverwatchのリーグ自体があまり大きくないので、今の段階では韓国や台湾に比べると厳しい状況だと思います。だからあまり焦ることなく、前の試合よりは少し進歩した試合をするというのが目標ですね。うちはメンバー同士の仲が良いので、チームゲームをやるうえではすごくプラスにつながっていると思います。日本のDeToNatorファンの皆さんも、ほとんどの方が僕のことを知らないと思いますが、選手たちも一生懸命頑張っていますし僕も一生懸命サポートしていますので、これからも応援よろしくお願いします。

前後編にわたってお届けしたDeToNator.GOLDのインタビューはここまでになります。プロチームとして非常にしっかりした体制のなかで、切磋琢磨しているメンバーたち。彼らの参加する「Overwatch Pacific Championship 2017 Season1」は残念ながらそろそろ終わってしまうのですが、Season2の開催とともに来月入れ替え戦が行われることが発表されました。来シーズンもDeToNator.GOLDの活躍が見られるよう、残りの試合もぜひ全力で応援していきましょう。

DeToNator
公式ページ:https://detonator-gg.com/

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韓国在住経験5年。在韓中の2006年ごろeスポーツと出会い、StarCraft: Brood Warプロゲーマーの追っかけとなる。帰国後2009年ごろからさまざまなWEBメディアで取材・執筆活動を行うほか、語学力を活かして韓国人プレイヤーのインタビュー通訳・翻訳や国際大会の日本代表団引率通訳などの活動も行っている。自らはゲームをほとんどプレイせず、おもにプロゲーマーの試合を楽しむ観戦勢。

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